恐竜以前の世界は地獄だった!地球の最も恐ろしい時代とは?

生命体の不思議

恐竜以前の世界は地獄だった!地球の最も恐ろしい時代とは?真実の目へようこそ。

はじめに

突然ですが、人類が誕生する前の古代の地球を想像してみてください。皆さんの中には、あのロマン溢れる巨大な恐竜たちの時代を思い浮かべる人も多いと思います。しかし恐竜の登場より前の時代にも、多種多様な生物がこの地球上に君臨しては、絶滅を繰り返し、地球自体にも数多くの壮大なイベントが起こっていました。その数十億年の間、地球環境の変化に伴って、数え切れないほどの生命が誕生し、食料の不足や天敵との戦い、熾烈な生存競争を繰り広げてきたのです。淘汰された者、勝ち残った者はその時その時でいろいろですが、結局そのほとんどは絶滅の道を辿り、今この瞬間の地球に生き残っている種は極めてわずかです。それでもなお、彼らは化石に変わることで地球に足跡を残し、現在の私たちに恐竜以前の地球上でどんなことが起きていたのか、それを詳しく教えてくれています。今回は、恐竜時代よりもさらに昔までタイムスリップして、その時の地球に存在していた想像を絶する生物たちの姿と、地球という惑星環境そのものの変化を見ていきましょう。

ぜひ、最後までお付き合いくださいね。

冥王代

現在の地球の年齢は約46億年だと推測されています。この長い期間の大半で、地球は生命にとって住みやすい場所ではありませんでした。地球が誕生してから最初の5、6億年間は、「冥王代」と呼ばれています。その時代の地質学的証拠、すなわち岩石や砂といった物質は現在の地球表面にほとんど残っておらず、その時の地球の様子を具体的に知ることは困難です。それでも、冥王代の時の地球が、極めて過酷な環境であったことは間違いありません。この時期、地球はまだ若く、活発な火山活動、頻繁な隕石の衝突があり、非常に高温の気候を特徴としていました。その結果、地表は溶岩に覆われ、海や安定した大気層も形成されていませんでした。このような環境では、生命体が生存するのは非常に困難でした。

太古代

今のいわゆる「青い惑星」とは似ても似つかない、地獄のような環境が5億年間も続いた後、次の時代である「太古代」を迎えます。太古代の地球は冥王代と比べるとだいぶ安定しましたが、それでも現代の地球と比べると非常に過酷な環境でした。この時期は太陽系全体が形成される初期でもあったため、地球には頻繁に隕石が衝突し、地表にできたばかりの薄い地層はすぐに破壊されてしまいました。このような状態が10億年も継続し、太古代の後期に入り、ようやく冥王代から続いていた高温の大気が徐々に冷え始めます。その時の大気の成分は主に二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)、メタン(CH4)が占めており、酸素(O2)はほとんどありませんでした。初期の海もこの時期に形成されましたが、海水は高温で、重金属やその他のミネラルが豊富に溶け込んでいたため、とても塩辛く、酸性度も高かったと推測されています。この時の太陽は現在よりはるかに暗く、その光度は現在の7割ほどしかありませんでした。

地球全体が冷え始めたことによって、大気中の水蒸気が凝縮して豪雨となり、ほぼ毎日降り注ぎ続けていました。厳しい環境がまだまだ続いているように感じますが、極めて小さな世界に目を向けてみると、実はこの時期の海を起源として、細菌などの原始的な生命形態が生まれ始めていたのです。これらの菌は主に海岸沿いや海底の火山付近などの限られた場所に存在し、酸素を必要としない化学反応を通じてエネルギーを得ていました。

これらの原始生命は、現在の地球上にいる全ての生物の共通祖先であると考えられています。

その時は生命の進化に必要な反応物の量が不足していたため、生物の姿は極めて単純な形に留まっていました。そして、死んだ生物の体が有機物として海の底に溜まり、何億年にも渡って、これらの堆積物が自然のプロセスによって分解され、最終的に今の私たちが大いに恩恵を受けている石油となりました。しかし、これらの生命はとある一種の存在によって地球から姿を消すことになります。その存在というのは、太古代の末期に地球に登場した「藍藻」という細菌です。またの名を「シアノバクテリア」と言います。この藍藻は、当時の他の生物とは全く異なった存在であり、光合成という反応を初めて見せた極めて重要な種です。光合成とは、皆さんも理科の授業で学んだ通り、光と水、そして二酸化炭素を材料とし、自身の生命活動に必要な有機化合物を合成するという過程です。この過程で酸素を放出するため、藍藻が増え続けるにつれて、海中の酸素が飽和状態に達し、大気にまで酸素が満ちあふれていきました。

今日の生物にとっては不可欠な酸素ですが、当時の地球上の生物にとってはまさに毒ガスでした。

彼らの体内に含まれる有機物は酸素による酸化反応で機能しなくなってしまうため、酸素が満ちあふれた新たな環境のせいで、ほとんどの生命が絶滅しました。さらに、当時の地球大気に存在していた大量のメタンは酸素の出現によってその量が激減し、地表の温度が急激に下がりました。これらの出来事によって、10億年かけて進化してきた酸素を使わない生物たちが、地球から一掃されたのです。

中には、この過酷な環境を生き抜いた一部の生物もいたようで、猛毒だった酸素を逆に利用してエネルギーを生み出す能力を進化させました。これが、地球生物の歴史における重要な転換点となります。その後も、大気中のメタン濃度の低下により、地球の温度は下がり続け、その結果として、3億年にも渡る地球史上最大規模の氷河期が始まりました。現代の地質学的研究によると、当時は氷床という氷の大地が赤道にまで達しており、地表はほとんど氷で覆われた状態だったと考えられています。これが、次の時代の「原生代」の始まりです。

原生代

原生代の初期では、地球は極寒であったにもかかわらず、生命は赤道付近の海岸地域で生息し、進化を続けていました。化石から見つかったこの時代の生物の代表的な1つは、「ディッキンソニア」という生物です。ディッキンソニアは、卵形の形状をした、体の表面に溝がある特徴的な軟体動物でした。これらは最大で体長1.4メートルまで成長することがありましたが、その体は非常に薄く、厚さは数ミリメートルしかありませんでした。この生物の生態と栄養源については現在も論議が続いており、これまで一致した見解を得ていません。

そして、化石を通じて発見された同時代のもう1つの生物は、「チャルニア」です。この生物は、大きな葉っぱのような体を持ち、その大きさは最大で約2メートルにも達します。その特徴的な形状から、初期の多細胞生物として重要な位置を占めています。ディッキンソニアと同じく、チャルニアの正確な分類や生態については、今なお研究者の間で意見が分かれています。このように、当時の地球は非常に寒い環境だったにもかかわらず、ディッキンソニアやチャルニアのような生物が進化し繁栄していたことは、生命の進化というシステムが実現する、「適応能力」の高さを示しています。

一方、この時の陸地にはまだ生物はいませんでしたが、氷床の下では、金属鉱石や岩石が形成されていました。幸いにも、太陽は明るさと暖かさを増し続け、最終的に氷を溶かしていきます。ただ、想像しにくいかもしれませんが、その時の地球の地表は、火星のような砂漠状態でした。そしてそこから、「顕生代」という生命が溢れる時代が始まります。

顕生代

「顕生代」とは、「肉眼で見える生物が生息している時代」という意味です。顕生代の初期、地球の大陸は現在とはまったく異なる形をしていました。南半球では、主に広さ1億平方メートル以上の「ゴンドワナ大陸」、北半球では主に「ローレンシア大陸」、という超大陸がそれぞれ形成されました。顕生代の初期、特に「カンブリア紀」と呼ばれる約1000万年の期間には、多くの新しい種類の生物が爆発的に出現しました。突如として生物たちがその数を顕著に増加させ、多様性を拡張していったこれらの現象は、「カンブリア爆発」として知られており、これがなぜ起きたのかはいまだ謎のままです。

ダーウィンの進化論では、種の進化は徐々に進行すると説明されていますが、カンブリア紀におけるこの急速な生物の多様化は、ダーウィンが言うようなゆっくりとした進化の理論と矛盾する現象です。「進化論は誤っている」と主張する派閥は、カンブリア爆発をその根拠としてしばしば引き合いに出します。

カンブリア紀に存在していた生物の中では、「三葉虫」が最も有名ですが、他にも奇妙な生物はたくさんいました。その中で個人的に最も奇妙だと思っているのは、「オパビニア」という生物です。化石から判明した内容によると、オパビニアは5つの目を持っており、2つが前方を、3つが後方を向いていたようです。また、体の先頭にはハサミ状の吻という構造が突き出しています。その独特な姿により、オパビニアは現在の動物の分類群には収まりきらない「未詳化石」として分類されています。

そして、カンブリア紀の海を支配していた捕食者の1種に、「アノマロカリス」という生物がいました。この生物の体は巨大なエビに似ており、体長は最大で1メートルにも達しました。アノマロカリスはその時代の最大の水中捕食者で、主に三葉虫を食べていたとされています。海が生命に満ち溢れていた一方で、この時期の陸地には、まだごく単純な苔や地衣類しかいませんでした。

石炭紀

それから約1億年後、「石炭紀」と呼ばれる時代が始まりました。この時からようやくしっかりとした形状の植物が陸地で出現し、熱帯エリアのほとんどがシダ植物で覆われるようになりました。それに伴い、様々な動物も地上で誕生していきます。石炭紀の森には、「メガネウラ」という巨大な昆虫が生息していました。メガネウラは翼を広げると約75センチメートルにもなる、史上最大のトンボです。これらの巨大なトンボは肉食性で、小動物や他の昆虫を捕食していました。1メートル近くもある巨大なトンボが生きていたなんて、想像するだけでゾッとしますが、この時代の地上には他にも数多くの怪物がいました。

「アースロプレウラ」という生物は、長さが2メートル以上、体重は50㎏もある巨大な節足動物です。アースロプレウラは主に植物食だと推測されていますが、その巨大な体躯を見ると、もしかしたら小動物を捕食することもあったかもしれません。ほかにも、「プルモノスコルピウス」という巨大なサソリの一種もいました。ただ、その体は現代のサソリよりもはるかに大きく、全長約70センチにも達したと考えられています。その巨大なハサミと強力な毒針は、獲物にとってこの上ない悪夢だったことでしょう。

では、なぜこの時期の動物たちはこんなにも大きかったのでしょうか?その理由として、特に石炭紀の後期において、地球の大気中の酸素濃度が現代よりもはるかに高かったであろうことが指摘されています。高い酸素濃度は、特に節足動物に対して影響を与えやすいと考えられます。節足動物は、体内に酸素を運ぶための効率的な循環システムを持っていないため、酸素を皮膚から直接取り込んでいます。そのため、大気中の酸素が豊富であるほど、それらの生物はより大きなサイズに成長することができるのです。虫が苦手な人にとっては間違いなく最悪の時代なので、これを聞いて、その時に生まれなくて良かったと安心した方もいるかもしれませんね。

また、当時は樹木を分解する微生物がいなかったため、木が死んだ後もその大きな幹は腐敗せず、時間が経過するにつれて、巨大な枯れ木の山に変わりました。これらは後に石炭となり、現在の人類によってさまざまな用途で使用されています。これも「石炭紀」という名前の由来になっています。そして6000万年続いた石炭紀の後、「ペルム紀」という新たな時代が始まりました。

ペルム紀

ペルム紀の初期、最初の両生類動物が地球上で誕生しました。これらの両生類は肺呼吸をすることができ、4本脚を使って陸上を移動することもできます。水中だけでなく、陸上での生活にも適応した彼らのスタイルは、新しい生態系への扉を開きました。そして、ペルム紀には大陸の動きが活発化し、「ゴンドワナ大陸」と「ローレンシア大陸」は徐々に分裂していき、現在の大陸配置へと移り変わっていきました。この動きは、地質学的および気候的な変化を引き起こし、生物の進化にも影響を与えました。

それから約4000万年後、最初の爬虫類が誕生しました。爬虫類は、より乾燥した環境に適応し、陸上での生活に必要な特性を発展させました。彼らは厚い皮膚、卵の殻、そしてより効率的な呼吸システムを持ち、さらに広範囲の環境で生存できるようになりました。恐竜の祖先である双弓類動物もこの時代に誕生しました。これにより、爬虫類は地上の支配者となり、彼らの天下はペルム紀の終わりまで続きました。しかし、ペルム紀の終わりには、地球史上最大の絶滅イベントが起こります。推測によれば、海洋生物の96%、陸上生物の73%がこの事変によって絶滅しました。しかし、この全地球規模の大量死の原因は未だに明らかになっていません。この絶滅イベントを何とか生き残った生物たちは、新たな時代である「三畳紀」へと繋がる道を開きました。

三畳紀以降

三畳紀は約2億5000万年前から始まり、この時代では、直前に起きた絶滅イベントによる損害を取り戻すかのように生命が急速に進化していきます。特に、温帯地域では初めて多くの森林が形成されるようになりました。海の環境も大きく変化し、緑藻が出現しました。これらの緑藻は海の上層部へ広がり、これによって、魚や軟体動物、節足動物などの繁栄にもつながっていきます。また、有機物の残骸が海底に沈むことで、海底の生物にも十分な食料が供給されるようになりました。このような変化により、海は徐々に現代に近い姿を見せ始めてきたと言えるでしょう。

実は、初期の恐竜はこの時にひっそりと誕生していましたが、彼らは当時の他の陸上動物と比べて、特に大型だったわけではありませんでした。

その時の陸上生態系の中で支配的地位を占めていたのは、やがてワニ類を生み出すことになる、クルロタルシ類という爬虫類のグループでした。続いてやってくるジュラ紀と白亜紀は、皆さんもご存じの通り、恐竜が繁栄した時期です。映画などで描かれる恐竜の姿や、その映像の中で彼らが生息している環境を見ると、ジュラ紀と白亜紀の地球も熱帯林で覆われていたかのように想像してしまうかもしれませんが、実際にはそうではありませんでした。たしかに、森林は高緯度地域にも広がっていましたが、地球の表面にはまだ多くの沼地や砂漠が存在していました。

白亜紀の終わりになり、地球はやっと現代の姿に近づき始めます。現在の地球の支配者となっている哺乳類の動物たちは当時から長い間存在していましたが、白亜紀の終わりまでは比較的弱い立場だったので、その生息域を拡大することはできていませんでした。

しかし、突然やってきた恐竜の絶滅イベントは、再び地球の生態系に大きな変化をもたらし、恐竜を含む多くの生物種を地球から一掃しました。この大規模な絶滅の原因は巨大な隕石の衝突だと推測されていますが、他にも様々な説があります。いずれにせよ、巨大な恐竜が姿を消し、その空席は哺乳類に生存と繁栄のチャンスを与えました。

彼らはその後の6600万年の進化を経て、最終的には与えられた自然環境に適応するだけでなく、何百万年も前の死んだ木々から形成された石炭やそのほかの様々なものを掘り出し、自由自在に火や熱、エネルギーを弄ぶ存在、お金や欲望のために広大な大地や海を荒廃させる存在、すなわち人間となったのです。

人類の出現はこの長い進化のプロセスの一部として刻まれ、これからもこのプロセスを形作っていきます。私たちは、地球の自然資源を活用し、環境を変え、多様な技術を発展させてきました。しかし、このようにして文明が切り拓かれたこのわずか数千年の間に、私たちは既に多くの種を絶滅させ、地球上の多くのエリアを荒廃させています。一部には、人類のこれらの行動は次の絶滅イベントを防ぐための意義深いものだとする意見もありますが、果たして人類はこれまで地球上の生命を何度も一掃してきた自然がもたらす強大な力に打ち勝つことができるのでしょうか?ただ、もし当時でも高度な文明が何度も誕生しており、実は過去の絶滅イベントが現在の私たちのような存在によって引き起こされたとしたら、これまでの地球の歴史を振り返ると、少しは反省の気持ちを抱くのでしょうか。

それでは今日もありがとうございました。

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