生命体 -宇宙最大の謎

生命体の不思議

はじめに

このチャンネルでは、宇宙における様々な不思議なことや、一般常識を超える物理現象などを紹介してきましたが、今回ご紹介したいのは、宇宙最大の謎と言っても過言ではない存在についてです。それは、私たち自身も含む、「生命体」です。この生命体は、宇宙における最高の芸術品であり、最も奥深い存在だと言えるでしょう。その理由について今回の投稿でご説明しますが、まずは次の画像をご覧ください。

これは微生物や単細胞生物を顕微鏡で観察した時の捕食映像です。引用元のチャンネルはJam’s Germsです。もっと見たい方はそちらのチャンネルを見に行ってください。なぜ単細胞生物の映像をお見せするかと言うと、彼らの行動は私たちが思っているより複雑だからです。彼らの捕食のシーンを見てください。このように、単細胞レベルの生命体とは言え、アフリカのサバンナにいる動物たちと遜色ない捕食の行為ができています。

実は複雑な構造をもつ単細胞生物

こちらの映像には出ていませんが、彼らは相手を探して、有性生殖などの行為もできます。脳もましてや神経細胞も持っていないこれらの単細胞生物が、これほどの複雑な行動ができるのは、不思議で仕方がありません。彼らは一体どこから指示を受けて行動しているのか?彼らの「意識」はどこから来ているのか?今のところ、そのメカニズムはまだ完全に解明されていません。

細菌が保有する「推進器」

そして次は、こちらの画像をご覧いただき、これが何なのかを予想してみてください。何らかの精密機器の一部だと思った方もいるのではないでしょうか。これは、一部の細菌が持つ「鞭毛」というものです。細菌は、前進するために推進力が必要です。鞭毛は、推進力を生み出すための器官です。今から詳しくご紹介しますが、これはとても偶然にできた構造とは思えません。

細菌が持つ推進器と人間が発明した推進器

F1エンジンを凌駕する鞭毛

細菌が持つ鞭毛という推進器は、シンプルで効率的に作られています。よく、「細菌の鞭毛はF1エンジンに匹敵する」という言葉を聞きますが、それは大間違いです。F1エンジンは鞭毛の足元にも及びません。なぜなら、鞭毛はたった20種類ほどのタンパク質によって構成されているのにもかかわらず、そのエネルギー変換効率は100%に近いうえ、その回転速度はなんと驚異の1秒間に200から1000回転です。

一方でF1エンジンは、5000個ほどのパーツで構成してあるのにもかかわらず、1秒間の回転数は300回転ほどで、そのエネルギー変換効率は50%前後しかありません。自動車メーカーの技術を濃縮したF1エンジンですが、生命体の中の下級レベルの存在に完敗です。

人間の「体」

次は私たち、人間の体を見ていきましょう。

人間の心臓は1分間に60~80回拍動します。1日で10万回ほど、一生の間には23億回以上も打ち続けます。心臓は1回の拍動で、70gの血液を送り出します。1日で7000Lほどの血液を送っています。一生の間で心臓が動き続けるのに使用されるエネルギー量は、100個の人工衛星を地球の低軌道に送れる量に匹敵するそうです。そのおかげで、たったの50秒で血液は体内を1周し、80歳まで生きた場合、血液は体内で1億2000万周も循環することになります。心臓以外にも、免疫システムや消化器なども止まることなく常に仕事をしています。

「体」を構成する細胞

これらの複雑な仕事は全て、私たちの体にある約30兆個の細胞(一説は60兆)によって遂行されています。これらの細胞は1日約6000億個も死に、同時に同じ数の新しい細胞が再生されます。皮膚細胞は1か月、血液は4か月、骨細胞は約10年というペースで入れ替わります。さらに根本的なところに視点を置くと、体を構成する原子は、1年間で約98%が入れ替わると言われています。

しかし、私たちの脳は一般的な器官と異なり、脳細胞は入れ替わることがありません。しかし、脳細胞を構成する原子と分子は常に入れ替わっています。これは、今のあなたの脳は、以前の脳と違うものになっていることを意味します。

ですので、生物学の観点からだけでなく物理学の観点からも、1年前のあなたと現在のあなたは異なる個体になっています。しかしそれでも、「自分」はずっと「自分」のままです。一体、今の「私」は以前の「私」とは、同じ存在なのか?「私」という概念はどう定義すればよいのか?これについてはまた別の投稿で語るつもりです。では生命体の不思議なところをさらに見ていきましょう。

細胞核に存在する「DNA」と「RNA」

私たちの体にあるほとんどの細胞は細胞核を持っています。その細胞核の中に、遺伝情報であるDNAとRNAが存在します。細胞核のコントロールの元で、それぞれの細胞は分裂・再生をしていきます。30兆個の細胞は、それぞれのライフサイクルを持っているのにもかかわらず、歩調を合わせ、高度なチームワークで人体の生命活動を維持しています。

真実の目
真実の目

例えば、赤血球は酸素を体中に運んでくれます。白血球は体内に侵入した病原菌や異物を攻撃してくれます。肝細胞は毒成分を分解してくれます。これらの「主役」の細胞以外に、「脇役」の細胞たちも、様々な形で「主役たち」に「サービス」を提供しています。

神経における情報伝達である「シグナル伝達」

では、30兆個もある細胞は、どうやって連携をとっているのでしょうか?実は、細胞は様々な化学物質を通じて、情報を伝達することができます。その通信の仕組みは数種類ありますが、どれも冒頭でご紹介した鞭毛のように、シンプルで効率的です。これらの通信を通して、細胞たちは明確に自分の使命を理解しており、協力しながらそれぞれの役割を果たしています。

知恵を持つ人類は、仮に1つの指揮系統に従って行動するとしても、このような高度なチームワークは不可能でしょう。それなのに、知恵や意識を持っていないこれらの細胞は、最高の協調性を私たちに見せています。もちろん、細胞は知恵を持っていないからこそ、このような高度な連携が取れる、という意見もあるでしょう。

真実の目
真実の目

では、そうであれば、一体知恵も意識も持っていない細胞たちは、どのようにしてこんなにも完璧に指令に従って行動できるのでしょうか?宇宙にある天体が、物理法則に従って運動しているというのは、数百年前に解明されました。生命体を構成する基本要素である細胞や、冒頭でお話した単細胞生物などが従っている法則は、いつになれば解明できるのでしょうか?既に不思議に思っているかもしれませんが、これらの内容はまだ生命体における初級レベルのミステリーです。もっと大きな謎は私たちの脳にあります。

生命体の大きな謎「脳」

人の脳には1000億個ほどの神経細胞が存在します。これらの神経細胞は電気信号を使い情報の伝達を行っていますが、このような電気を利用した情報の伝達は、現代文明より数億年前から使われています。そしてこれも例に漏れず、現代の科学技術よりもシンプルで効率的です。また、これらの神経細胞は「シナプス」という構造を介して繋がっていますが、人の脳は何らかの情報を受信した際、神経細胞の繋がりは、強度が変わったり、新しい繋がりが生まれたりします。このような僅かな変化によって、私たちの脳は取り入れられた新しい情報を記憶することができます。

今この投稿を読んでいるあなたの脳も、この内容を記憶に変換するために、数多くの神経細胞の間にある繋がりを変化させています。このような仕組みで、人間は一生の間約250万ギガバイトに相当する量の情報を記憶することができます。

しかし、これはまだ脳が持つ偉大な能力の1つにしかすぎません。最も特筆すべきところは、思考ができることです。意識も知恵も持っていない原子や分子が集まってできた脳は、驚くことにそれらがどのようにして脳を構成したのかについて考えることができます。一体どんな物がどういう仕組みで、これらの原子や分子でできたものに意識や思考能力を付与したのか?これは考えれば考えるほど不思議に思います。しかし、これはまだ生命体の最大の謎ではありません。それ以上に、生命体は「意識」という不思議なものを持っています。

生命体の最大の謎「意識」

ここまでの話を聞けば、意識は脳によって生み出された、という結論にたどり着くと思います。現在の一般常識でもそのように思われています。しかし脳は、ただ意識の受信機に過ぎないという可能性もあります。それはどういうことかと言うと、アメリカの神経科学者のDavid Eaglemanは次のような発言をしたことがあります。

「砂漠に住んでいる人が、人生で初めてラジオを見せられたとします。ボタンを回せば、異なる音がラジオから出てくることに彼は気がつきました。そしてそのボタンを外して中を見てみると、ケーブルを発見しました。ケーブルの位置を変えると、ラジオの音が変わります。そして、音はこれらのケーブルによって生み出されていると思いました。しかし彼が本当に知らないのは、音の出元は、遠く離れている信号発生器です。」

これは意識の出元についての1つの考えですが、意識の本質についても、不思議な研究結果があります。近年のいくつかの研究から、私たちは「自由意志」を持っていないのではないかという推測が出てきています。つまり、私たちは自分の気持ちや意思で自由に決断を下しているように見えますが、実はこのような自由意志は存在していないのではないか、ということです。これについては別の投稿にまとめてありますので、気になる方は是非ご覧ください。

真実の目
真実の目

冒頭でお見せした単細胞生物は、たった1つの細胞で構成されていますが、それでも立派な生命体の1つです。そして、私たちの体内にあるほとんどの細胞は、構造的にはその細菌とあまり変わりません。ですのである種、私たち一人ひとりは、無数の小さい生命体の高度な連携でできた1つの大きな集合体であると言えます。私たちは、自分が体の主人だと思っていますが、もしかすると、本当の主人は彼らかもしれませんね。

おわりに

以上のように、簡単な単細胞生物から複雑な人間まで、生命体には様々な謎が潜んでいます。今までのいくつかの投稿では、生命体は人間が作ったあらゆる精密な機械よりも数万倍複雑、ということをよくお話ししています。今回の内容で、僕がそのように言う理由をお分かりいただいたと思います。そして僕自身が、生命体は大自然の中で偶然にできたものであるという主張に反対意見を持つのも、ここに理由があります。

私たちは宇宙のことを研究すればするほど、様々なことが分かってきています。しかし生命体のことを研究すればするほど、どんどん分からなくなっていくのではないかと感じてしまいます。

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