【酸素は慢性毒】人類の寿命が100年間を超えられない理由は「酸素」にある

生命体の不思議

はじめに

言うまでもなく、人間が生きていく上で、酸素は最もなくてはならない存在です。摂取された食物を私たちの体がエネルギーに変えることができるのは、酸素の働きによるものです。生命を維持するために、人間は一日におよそ500リットルの酸素を必要とし、一生の中で吸い込んだ酸素の量を考えると途方もない量になります。しかし、

「体に取り入れられてきたこれらの量の酸素は、実は毒である」

と言われたら、誰でも「そんな馬鹿な」と言うと思います。今回は、皆さんが耳を疑うであろう酸素に関するある説をご紹介します。酸素は、人間にとっての毒であり、人類にとっての「鎖」です。私たちが老化に伴い、僅か100年間という寿命で命を終えるのは、ある意味、その根源は全て酸素にある、という説になります。

酸素を歴史からみると

それはどのようなことなのか、まずは少し地球の歴史を見てみましょう。今の地球上に存在するほとんどの生物にとって、酸素は必須の要素です。しかし、約35億年前から24億年前の長い間、地球にはほとんど酸素がありませんでした。その当時地球に存在していた菌や微生物などの生命体は、酸素を必要としていませんでした。彼らは二酸化炭素と硫化水素を材料に、光に含まれるエネルギーを化学エネルギーに変換し、生命活動に必要な有機物質を作り出していました。

しかし、約25億年前から、地球の歴史を大きく変えた存在が登場しました。それは、「藍藻」という細菌でした。彼らは、当時における他の生物と全く異なる光合成の過程を持っています。それは、光を利用して、水分子から水素原子を奪い、そして二酸化炭素を材料に、自身の生命活動に必要な有機化合物を合成するという過程です。この過程において、水素原子が奪われた水は酸素になります。従って、藍藻が増え続けるにつれて、海における酸素の量も増え続けてきます。最終的に飽和し、大気にまで酸素が満ちあふれました。

これは当時の他の生物からすれば、致命的な災いです。なぜなら、酸素は彼らにとって猛毒だからです。これらの生物に含まれる有機物は、酸素による酸化反応で機能しなくなり、さらに、当時の地球大気に存在していた大量のメタンは、酸素の出現によってその量が激減しました。これによって、地表の温度は急激に下がりました。これらの出来事によって、当時のほとんどの生物が絶滅してしまいました。

真実の目
真実の目

しかし、一部の生物は、この過酷な環境で生き抜くことができ、猛毒だった酸素を利用してエネルギーを生み出す能力を進化によって獲得しました。これらの生物も、私たちの祖先となりました。

早死の原因は酸素にある?

以上の過程から分かったことは、酸素は決して生命にとって欠けてはいけない存在ではないということです。もし25億年前に藍藻が現れなかったら、現在の地球上で生きている生物は、二酸化炭素などの他のガスを呼吸に使用していたのかもしれません。「前世の記憶」の動画や投稿で登場した火星少年の話になりますが、彼は子供の頃から、自分の前世は火星人だと言いだし、4,5歳の年齢で、複雑な天文知識を持っていました。あるインタビューで、彼は次のようなことを言いました。

「火星人が地球人と最も異なるところは、火星人は二酸化炭素を呼吸に利用していることです。酸素を体内に取り込まないから、体内の細胞は酸化されません。従って、火星人の体は35歳までは成長しますが、それ以降は老化しません。同じ理由で、火星人の寿命は地球人より数十倍も長い。」

真実の目
真実の目

彼の火星に関する前世の記憶が捏造かどうかは、今回の投稿では掘り下げませんが、彼が言っていた人類の老化と早死の原因は酸素にあるというのは、正しいことなのです。

酸化による細胞へのダメージ

酸素は極めて活性が高く、ほかの物質を酸化する力が強い元素です。クギが錆びる、リンゴの断面が変色する、輪ゴムがボロボロになる、これらは全て酸化が原因です。しかも、このような酸化は、私たちの体内でも常に起きています。人間の体内には、大量の酸素分子があります。これらの酸素分子は、時々電子を1つ失います。電子を1つ失うと、この時の酸素分子はすぐに周囲から電子を奪おうとします。しかも、この時の酸素分子は、電子を奪う力が非常に強く働くため、その標的となる体内の細胞は、容易に電子が奪われてしまいます。結果、その細胞がダメージを受けることになります。

ダメージを受けたとしても、新しい細胞はすぐに再生されるので、特に大きな問題にはなりませんが、怖いのは、私たちのDNAも、そのターゲットになります。長い年月の間で受けたDNAへのダメージが、体に病気を引き起こしたり老化の原因となります。なぜなら、細胞を機械と仮定すると、DNAはその機械を組み立てるための設計図だからです。その設計図がダメージを受けて不完全になってしまうと、それをもとに組み立てられた細胞は、正常に機能しなかったり、がん細胞などになったりします。ですので、人体の老化の原因の一部は酸素に起因していると言っても過言ではありません。

真実の目
真実の目

もし「火星少年」が言っていたような二酸化炭素を呼吸に利用する種族が本当に存在するのであれば、彼らの寿命は酸素を利用する私たちより長いかもしれませんね。

酸素が人類にとって「鎖」と言われる理由

先ほどご紹介した大昔の地球の歴史から、常識的に考えれば、酸素がこんなにも地球上で充満していないはずです。しかし25億年前に突然現れた藍藻は、その状況を変えました。そもそも、藍藻よりも十数億年間も早く地球で存在していた生命たちが、この藍藻の出現によって短期間で全滅させられ、その後誕生した生命の形も、酸素を利用したものになったというのは、非常に怪しく感じられます。

この過程はまるで、精密に設計されたようにも感じられます。これが誰による仕業かは分かりませんが、その目的は明白です。それは、冒頭でお話した「鎖」です。この鎖というのは、文明の発展の「鎖」ということを表現しています。酸素を呼吸に使用する人類の寿命は、100年前後です。これは文明の発展の初期においては、特に大きな問題ではありません。文明初期の農業に関する技術を発明するのも、それを伝承していくのも、長い寿命を必要としません。近代の数学や物理学でさえ、1人の力で全く新しい分野を作り上げることが可能でした。アイザック・ニュートンは物理学という学問を作り、アインシュタインは相対性理論の発見で現代物理学を立ち上げました。ここまでは、寿命の制限が文明の発展にもたらす制限はまだそんなに大きくありません。

しかし、科学技術が高度に発展した今、その状況が大きく変わります。今の時代は、以前のように1人の力で何かの重大な理論を発見するのは、ほぼ不可能です。21世紀に入ってから、科学技術はまだ高速に発展しているように見えます。パソコンの性能がどんどん進化しています。スマートフォンという不思議な存在も誕生しました。しかし冷静に見てみると、これらの発展は全て、1つ前の世紀に発見した理論の応用です。実際のところ、直近半世紀の科学技術の発展は、技術の部分のみが発展していて、その理論となる科学の部分は、ほぼ進んでいません。その理由は、新しい理論を発見する難易度が、以前より何十倍も高いからです。

何か新しい発見をするのに、まずは今までの理論を把握しなければなりません。科学が高度に発展した現代では、今までの理論を把握するだけで、約30年近くの時間を要します。しかし、人間の脳の能力は、20代前半がピークです。今までの科学者によって提唱された大きな発見のほとんどは、彼らが20代の頃です。30代に入ってからやっと新しい発見の挑戦を始められる現代の科学者たちは、脳の能力が落ち始めているせいで、なかなか大きな成果を出すことができません。つまり、酸素で呼吸する人類は、その寿命の短さゆえ、脳の能力が最大限発揮されるピーク期がすぐに過ぎてしまいます。従って、これからの科学を進歩させることはさらに難しくなってきます。これが、酸素が人類にとって「鎖」だと言われる理由です。

大袈裟に聞こえるかもしれませんが、既にこの問題に気付いて、解決しようとしている人がいます。イーロン・マスクが手掛けるTeslaやSpaceXは有名ですが、実は彼はもう1つの分野にも非常に力を入れています。それが彼のNeuralinkという会社が行っている「ブレイン・マシン・インタフェース」です。現段階でのこの研究の目標は、脳内の電気信号を解析することによって、人の考えを読み取り、人間の思考と機械を直結することです。研究の最終的な目標としては、人間の思考を肉体から解放させ、意識を機械にアップロードすることによって、寿命の短い脳に依存しない思考体を作ることだそうです。

つい最近、イーロン・マスクが自分の脳をクラウドへアップロードすることに成功し、その本人がアップロードされた意識とチャットまでしていた、というニュースがありました。もちろん今回の「意識のアップロード」はまだ初歩的です。しかし、人類がこの自分を縛っている「鎖」から脱出するには、イーロン・マスクが現在行っているこの線しかないようにも思われます。

おわりに

酸素の話に戻りますが、「毒性学の父」と呼ばれているパラケルススは次のような言葉を残しています。

全てのものは毒であり、その毒性は量で決まる

All things are poison and not without poison. Only the dose makes a thing not poison.

この視点から、酸素は人間にとって、量によっては毒であり、同時に毒でもありません。しかし、もし「火星少年」が言ったような、酸素よりダメージの少ない気体を呼吸する種族が本当に存在するのであれば、酸素は間違いなく人類にとっての毒であると言えるでしょう。

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