地球より10万年以上も進んだ「恒星文明」が姿を現した!

宇宙奇譚

はじめに

「宇宙文明」についての動画や投稿で、宇宙に存在するかもしれない7つの文明レベルについてお話ししました。7つのレベルはそれぞれ、惑星文明、恒星文明、銀河文明、宇宙文明、マルチバース文明、多次元文明そして創造主文明です。現在の地球文明は残念ながら、レベル1の惑星文明にさえ到達できていない、レベル0.72という位置付けにあります。

これらの文明レベルはあくまで天文学者ニコライ・カルダシェフの理論に基づいて提唱されたもので、それらの存在が実証されたわけではありません。しかし、つい最近のいくつかの発見が、少なくとも「レベル2の恒星文明」は実在するのではないかと示唆しています。

恒星からエネルギーを取得する「恒星文明」

恒星文明はその名の通り、恒星のほぼ全てのエネルギーを取得できる技術を所有している文明、というように定義されています。では、一体どのような発見が恒星文明の存在を示唆しているのか?今回は、それに関するいくつかの不思議な観測結果を紹介していきます。ぜひ最後までお付き合いください。

はくちょう座で観察された不思議な現象

ケプラー望遠鏡とその「トランジット法」

NASAは2009年3月、「ケプラー」という宇宙望遠鏡を太陽周回軌道に投入しました。そのメインの目的は、太陽系外にある地球サイズの惑星を発見することです。望遠鏡の主な観測領域は、天の川銀河にある、はくちょう座、こと座とりゅう座です。今回ご紹介するいくつかの不思議な発見は、全てはくちょう座で観測されたものです。

「トランジット法」

ケプラー望遠鏡は「トランジット法」という方法で太陽系外惑星の存在を確認しています。惑星が恒星の前を通過すると、当然のことながらこれらは重なります。この時、望遠鏡が観測する恒星の明るさは、ほんの少し下がることになります。

惑星は周期的に恒星の前を通過するため、このような恒星の明るさの変化も周期的に観測できます。この周期的な明るさの変化が検出された後、その明るさがどれほど下がったかで、恒星を通過した惑星のサイズなどを推測することができます。

真実の目
真実の目

当たり前のことですが、このような仕組みによる恒星の明るさの変化周期は一定であり、明るさの変化量もほぼ毎回同じです。

はくちょう座にあるに恒星「KIC8462852」での不思議な現象

規則的ではない周期と明るさの変化量

しかし、2015年9月、妙な現象が観測されました。はくちょう座にある、地球から1400光年離れている「KIC8462852」(以降KICと略称する)という恒星から、明るさの変化が観察されましたが、その変化の周期も、明るさの変化量も、今までの他の恒星のパターンと大きく異なりました。まず、KICの明るさの変化する周期は、一定ではありません。このグラフを見ればはっきりと分かりますが、明るさの変化する周期は規則的ではない上、明るさの変化する量も毎回異なっています。さらに長いスパンの観測結果からも同じく、規則的でない変化が見られました。不思議に思ったNASAは、最初はケプラーの故障が原因かと思いましたが、検査の結果、ケプラーの故障は確認されませんでした。

KICの明るさが22%減少

そして研究者たちはさらに以前の観測データを調べてみましたが、驚くべき内容が発見されました。2011年3月5日、KICの明るさが急激に15%も下がりました。そして、2013年2月28日と4月17日、KICの明るさが22%も大きく下がりました。似たような現象が6年間の間、10回観測されました。

地球がトランジットした場合KICの明るさの減少は僅か0.01%

このような急激な明るさの変化は、とてもおかしな現象です。なぜなら、これほどの明るさの激減は、惑星によるものではないと断言できるからです。計算によると、地球サイズの惑星がトランジットを起こした場合、KICの明るさの減少は僅か0.01%ほどです。超巨大惑星の木星は、その直径は太陽の10分の1もありますが、この惑星がトランジットを起こした場合、KICの明るさの減少は僅か1%です。KICの半径は太陽の1.58倍もあり、その明るさを22%下げようと思えば、それを通過する物体の横幅は少なくとも、KICの半径の半分以上でなければなりません。

では、そのようなサイズの惑星が存在するかと言うと、していません。なぜなら、こんなにも大きな惑星があるとしたら、その中心は既に核融合反応が始まっていて、1つの恒星になっているからです。恒星がKICの前を通過した場合、KICの明るさは下がりません。

では、観測されたKICの明るさの激減は自然現象なのかと言うと、そうではありません。なぜなら、寿命末期の恒星は、その明るさは徐々に下がっていきますが、22%下げるのに、数万年もかかります。ですので、KICの規則的ではない急激な明るさの減少は、自然現象でもなく、惑星によるトランジットが原因でもありません。

そうなると、彗星群が原因だと考えられますが、その後の様々な研究で、彗星群の可能性も排除されました。では、この不思議な現象を引き起こしたのは一体どのようなものなのか?

不思議な現象を引き起こしたものとは?

一般常識で考えられる理由によって説明がつかない場合、一般常識の外で答えを探さなければなりません。

フリーマン・ダイソンが提唱した「ダイソン球」

「ダイソン球」によるものか?

そこで浮かび上がった一つの可能性、それは、「ダイソン球」というものです。「宇宙文明」の動画や投稿、「フェルミのパラドックス」の動画や投稿で紹介したことがありますが、フリーマン・ダイソンという理論物理学者が、「ダイソン球」という高度な人工構造物の概念を提唱したことがあります。彼が思うには、文明が高度に発達した後のいずれかの時点で、その文明は必ず、恒星から直接エネルギーを取得しようとします。

1つ考えられる方法は、大きな構造で恒星全体を覆うことによって、その恒星から放たれたエネルギーを吸収する手法です。そのような構造は、「ダイソン球」と名付けられました。

徐々に加速していくダイソン球の建設速度

ダイソン球の構築は、相当な労力、資源とエネルギーが必要であるのは、言うまでもないでしょう。ですので、建設の初期は進捗が遅く、構造物がある程度完成され、恒星からエネルギーを取得し始めてから、建設の進捗が徐々に速くなっていくと推測できます。ですので、ダイソン球の完成速度は徐々に加速していきます。言い換えれば、覆われている恒星の明るさの減少速度も、加速して行くことになります。

この推測もある程度、KICの観測結果と一致するところがあります。もちろん、現段階では、KICの周りにダイソン球の存在はまだ確認されていませんし、KICの謎の減光が、はくちょう座にレベル2の文明が存在する証拠にもなりません。

はくちょう座で起きたさらなる不思議

桁違いの強さの宇宙線を観測

しかし、もしはくちょう座で観測された不可解な出来事がこれだけなら、そもそも僕は今回の投稿を作っていませんし、タイトルもこのように付けません。皆さんが今この投稿を見ているということは、はくちょう座で、さらに奇妙なことが起きていることを意味します。

2021年「Nature」にて発表された論文

2021年、学術誌「Nature」で1つの論文が発表されました。その内容は、2021年5月17日に、中国の超高感度宇宙線観測ステーション「LHAASO(ラソ)」は、1.4PeVのガンマ線光子を記録したということです。これは人類が今まで観測した最高エネルギーの宇宙線で、そのエネルギーの強さに研究者たちは驚きを隠せませんでした。

それがどれほど強いものかを私たちでも理解できるような言い方にしてみましょう。

地球に降り注ぐ宇宙線

まず、宇宙線というのは、宇宙空間を飛び交う高エネルギーを持つ放射線のことです。その成分は、90%近くが陽子で、残りの10%は他の粒子です。光速に近い速度で宇宙空間の中で飛び回っている宇宙線は、地球にも常に飛んできています。

地球には大気が存在しているので、宇宙線が大気と衝突すると、その中に含まれている粒子が崩壊し、それによって、地表に到達した時のそのエネルギー量は大きく減少しています。そのおかげで、地表にいる生物たちは宇宙線に影響されずに健康でいられます。

宇宙線観測ステーションは、地表に到達したこれらの宇宙線を検出できる装置です。今まで世界中の宇宙線観測ステーションによって検出された宇宙線を、“雨” だと思ってください。その “雨” は、“小雨” の時もあれば、“大雨” の時もあります。

桁違いの強さを示した宇宙線

しかし今までの宇宙線がどれほど強くても、所詮 “雨” です。しかし2021年に観測されたこの1.4PeVの宇宙線は、桁違いの強さを示しました。どれほど強いかというと、それは “雨” を大きく超えて、“ウォータージェット”の範疇に入りました。ウォータージェットは、金属すら簡単に切断することができます。普通の“雨宇宙線”と、2021年のこの “ウォータージェット宇宙線” の差が、研究者たちが驚いた理由です。

感の鋭い方なら「まさか」と思っているかもしれませんが、この “ウォータージェット宇宙線” の出元は、まさにはくちょう座なのです。

謎多き宇宙線とその発生の原因

通常の宇宙線は、宇宙空間の中にある磁場の影響で、その進行経路は常に変化しています。ですので、宇宙線観測ステーションによって観測される、これらの通常の宇宙線の出元は判明することができません。では、今回の “ウォータージェット宇宙線” の出元がはくちょう座と分かった理由はなぜでしょうか。

磁場の影響を受けない光子

その理由は、たくさんの光子がその宇宙線に入っていたからです。光子は磁場の影響を受けません。従って、それらの光子の出元を調べたところ、はくちょう座にたどり着きました。なぜはくちょう座から、こんなにも特殊な宇宙線が飛んできたのか?その宇宙線が発生した原因は何なのか?全てが謎のままです。

大半の研究者は自然現象による物だと考えています。しかしよく考えてみると、あまりにも偶然すぎると思います。1400光年も離れているはくちょう座から、とんでもないエネルギーを持つ、磁場の影響を受けない宇宙線が、ピンポイントで地球に向けて飛んできました。このような偶然は起きるのか?と思う人が多くいます。

ですので、その宇宙線の中に、何か意味のあるメッセージが潜んでいないかを研究すべきだという声がたくさんありますが、今のところ、それに関する研究が行われているかについては不明です。

はくちょう座にいる高度な文明が作ったもの?

では、もしこの宇宙線が自然現象ではなく、はくちょう座にいる高度な文明が作ったものであれば、その文明が持つ科学技術はどのレベルにあるのかを見てみましょう。

大型ハドロン衝突型加速器

欧州原子核研究機構のCERN(セルン)が所有している大型ハドロン衝突型加速器は、1つの光子を0.01PeVにまで加速することができます。これが現在の地球文明の限界です。“ウォータージェット宇宙線” のように、大量の光子を1.4PeVにまで加速した上、1400光年も離れた場所にまで飛ばす技術は、今の地球文明を数千年もしくは数万年掛けて発達させてからでないと、実現ができないと思います。

もし、はくちょう座からのこの宇宙線が本当に知的文明によるものであれば、そのような文明はダイソン球を作れるほどの技術力を持っている可能性も、十分にあり得ると思います。

さらなる不可解な発見

既に謎いっぱいのはくちょう座ですが、さらに不可解なことが発見されています。

網状星雲で観察された1本のまっすぐな直線

はくちょう座には、1つの幅が77光年の網状星雲があります。最近、ある宇宙望遠鏡によるその網状星雲の1枚の写真から、1つのまっすぐな直線が星雲の中で観察されました。この直線性は、どう見ても自然現象によるものではなさそうです。飛行機が空を飛ぶ際に、真っすぐな白い筋を空に残す場合があります。

真実の目
真実の目

この網状星雲の写真を初めて見た時に、この直線は何らかの宇宙船が残した痕跡ではないのかと思いました。もし本当にそうなら、写真から分かるのは、この宇宙船が残した痕跡の長さは50から60光年もあることになります。

その痕跡が、飛行機が残した飛行機雲のようにすぐに消えてしまうのであれば、長さ50から60光年の痕跡を写真に捉えられたということは、その宇宙船は短い期間の中で50から60光年の距離を走ったことを意味します。それが事実なら、はくちょう座にいる知的文明は、レベル2の恒星文明以上である可能性も出てきます。

さいごに

ここまでの内容はあくまでも僕個人的な推測にしかすぎません。この直線も、KICの明るさの変化も、“ウォータージェット宇宙線” も、全てが自然現象である可能性のほうが大きいでしょう。しかしこれらの現象はどれも、今までの常識を超えています。多くの不思議な現象がはくちょう座で集中して出現していることは、そこにはまだ私たちの知らない何か特別なものが存在しているのではないでしょうか。それが “レベル2の恒星文明” ではなくても、その存在はきっとロマンがたくさん詰まっているものに違いないでしょう!

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