【総集編】失われた古代火星文明!人類の本当の故郷は地球ではない?

宇宙奇譚

始めに

遥か大昔から、人類はどうしてか、留めることのできない火星への強い関心や憧れを抱いてきました。権威ある学者のみならず、まったくの素人から子どもに至るまで、彼らは目視なり、望遠鏡なり、ありとあらゆる手段で火星の姿を探り続けてきたのです。そして数百年あるいは数千年という時を重ねて、1965年、この惑星の真の姿がようやく明らかになりました。

火星(イメージ)

NASAが打ち上げた宇宙探査機の「マリナー4号」は、初めて火星に接近し、その表面の撮影に成功しました。しかし、写真に写されたクレーターだらけの死の世界は、人々に大きな衝撃を与えました。なぜなら、それまでの長い間、多くの人は火星に生命が存在しているかもしれない、あるいは少なくとも緑の大地や青い海が存在すると期待していたからです。

大きく失望した後でも、人類の火星への好奇心は尽きることなく、むしろその探求心はより一層強まりました。さらに多くの探査機が火星に送られ、人類は火星の全貌を徐々に知るようになりました。火星の大気の量は地球の1%ほどしかなく、冬の寒い時期の気温は摂氏マイナス130℃にまで下がります。火星には磁場が存在しないため、生命体に致命的な影響を与える太陽風や宇宙線がそのまま火星の地表に届きます。

火星の表面(イメージ)

これらの事実から、とうとう火星には生命の存在する余地はないという見解が一般に広がりましたが、科学技術がさらに発達した最近の数十年間の研究や調査によって、従来の見解は少しずつ変わりつつあります。それらの新しい知見の中には、火星には生命、ひいては文明が存在していたかもしれないという結論を出した研究者もいるほどです。

一体どのような発見が今までの見解を覆したのか?大昔の火星に高度な文明が存在していた証拠はどのようなもので、その文明はなぜ消えてしまったのか?また、我々人類には火星に存在していたかもしれない文明とどのような関係があるのか?今回は火星の過去を探求する総集編となっています。この探求の旅には、科学的な発見、神話や宗教に含まれている物語、想像力を駆使した推測が含まれています。きっとそのどれもが、あなたの火星に対する印象や知識に新たな角度から光を当てるものになるはずです。ぜひ最後までお付き合いくださいね。

キュリオシティによる発見

2022年5月、NASAの火星探査車「キュリオシティ」が1枚の妙な写真を撮影しました。そこにははっきりと“石の門”のような構造が写っています。別の角度で撮られた写真でも同じ形の門を見ることができます。

普通の考え方をすれば、たまたま自然形成された特殊な地形だと結論づけるでしょうが、実は、このような長方形の構造が自然界で誕生する確率は非常に低いです。その理由はまた後ほど詳しく紹介しますが、構造のうち1つの辺だけが直線の形をしている程度であればまだ偶然の範疇と判断できますが、このようにはっきりと整った長方形の構造は、直感的にも自然界において異常な存在だと感じるのではないでしょうか。

そしてその上、さらに驚くべき偶然が重なります。エジプトには、古代のファラオたちの墓が集中している「王家の谷」という場所がありますが、これらの墓の入り口の形は、火星で発見されたこの“石の門”と全く同じ形をしています。

もちろん、どれもこれも全て偶然の産物に過ぎないのでしょうが、火星ではこのような奇妙な偶然が他にも多数発見されています。

火星ピラミッド

1976年、NASAのバイキング1号火星探査機は、火星の赤道付近に位置する「シドニア地区」で数多くの不可解な構造物を発見しました。そのうち特に注目を集めたものは、ピラミッドのような構造物です。

はっきりと形が写されているこちらの3つの“ピラミッド”には、偶然とは思えない共通点があります。これらの“ピラミッド”の南面は、完璧に火星の真北を向いています。

先ほどご紹介した“石の門”と同じように、これと同じ構造を持つものが地球にも存在しています。既にお察しと思いますが、エジプトにあるギザの大ピラミッドも、その南面は完璧に地球の真北を向いています。

ギザの大ピラミッド

また、“石の門”と同じく、火星にあるこれらのピラミッドのような構造物が自然形成される可能性は極めて低いと推測されています。すると、可能性が高い方の真実とはすなわち、火星で発見されたこれらの構造物が文明による人工物なのではないかということになります。その上、地球上でもそれらと同じ構造、同じスタイルの構造物が存在していることから、火星に存在していた文明は、地球文明と深い関係があると考えられます。

人面岩

極めて挑戦的な仮説ですが、他の発見からも同じ結論にたどり着きます。例えば、シドニア地区で発見されたこれらのピラミッドの近くで、長さ3㎞、幅1.5㎞程の岩山が発見されています。妙なことに、岩山の形は上空から見ると、人の顔に見えるのです。ただし、光と影の具合で偶然に人の顔に見える可能性がありますので、他の写真も見てみる必要があります。この岩山の写真を最初に撮ったのはバイキング探査機でしたが、これを撮影後、探査機は火星を30周ほど周回してから、もう1度岩山の写真を撮影しました。異なる日時と角度で撮られた2枚目の写真でも、はっきりと人の顔に見える形状が写されています。

一枚目の写真
2枚目位の写真

しかしこれに対して、NASAの声明は「光の当たり方による偶然の結果」の一点張りでした。

2001年、グローバル・サーベイヤー探査機はまたシドニア地区の写真を撮影しました。NASAは自身のホームページ上の記事の中で、今回の撮影の結果を公開しました。例の人面岩の形はこのように写っていました。

NASAが公開した写真

これでやっとはっきりした結論が出たと思いきや、記事にあるこの写真は、以前公開された人面岩から3kmほど離れた別の岩山とそっくりだという指摘が飛び出しました。しかしこの指摘に対して、NASAは何のコメントも返していません。

3km離れた別の岩山と似ている

真相をNASAが明かしてくれなくても、この件に対して独自調査を行った研究者がいました。画像解析専門家のMark Carlotto博士は、DEM技術(Digital Elevation Model)を用いて、バイキング探査機が撮影した写真の灰色の明暗から、人面岩の標高をデータ化することによって、岩山の三次元モデルを構築しました。すると驚いたことに、構築された岩山の形は、人の顔その物でした。どの角度から光を当てても、どの角度から観察しても、人の顔の特徴がはっきりと見てとれます。

さらに、もっと正確な結果を求めるために、Carlotto博士は別の手法の「フラクタル理論」も用いて検証してみました。

この手法のメカニズムを一言で説明すると、構造物の自己相似性を分析することによって、その物体がカオスの形をする自然物なのか、それともそうでない人工物なのかを判断するという手法です。例えば、自然界にある木、花、石、海岸線などの自然の力によって生まれた物は、その構造の中に同じ形をする部分が何度も出現します。

しかし、人間によって創造された人工物は、このような特徴を持っていません。ですので、フラクタル理論の視点から物体の構造を分析すれば、それが人工物であるかどうかが判定できます。Carlotto博士がこの手法で人面岩を分析したところ、その自己相似性が非常に弱いことが分かりました。つまり、この岩山は自然物ではない可能性が非常に高いということです。そして、先ほどご紹介したシドニア地区にあるピラミッドのような構造物に対しても同じ手法で分析したところ、同じく人工物であるという結論が出ました。

町の遺跡

さらに、Carlotto博士は人面岩とピラミッドの近くで、町と思われる遺跡までも発見しました。博士の分析によると、町とピラミッドは、火星の夏至の日の太陽の位置に基づいて設計されたことが推測されると言うのです。

不思議なことに、このようなスタイルはまたも古代エジプトの建設物と同じです。古代エジプトにおいて建設されたハトホル神殿の向きは、夏至の日の太陽が地平線の上に現れる位置にピッタリと向いています。そして、シドニア地区にある町とピラミッドがどれほどの精度で火星の夏至の日の太陽が現れる位置に向いているかと言うと、完全に正確な方向と比べて0.9度の差しかありません。これがどのくらい正確なのかと聞かれたら、十分に高い精度の正確さだと答えられますが、実態はそんなレベルに収まらないようです。Carlotto博士が、両者に差が生じない時期はいつなのかを計算したところ、3万3千年前の火星なら、夏至の日の太陽が地平線の上に現れる位置と町の向きの間には、まったく差が存在しなくなります。つまり、3万3千年前、火星には数学的にズレが生じないレベルの精度で、町とピラミッドを建設できるほどの文明が存在していたという推測が得られます。これで、火星には文明が存在していたという仮説がより具体的になり、現実味を帯びてきました。次は、この仮説をさらに補強する事実と証拠を見ていきましょう。

火星からの隕石

1976年、ANSMET(Antarctic Search for Meteorites)という、南極に落下した隕石の探索と収集を目的とした科学プログラムが開始されました。今日まで、プログラムは既に2万個を超える数の隕石を南極で発見しました。その中でも特筆すべきものは、1984年に発見された1つの隕石です。

この重さ2㎏ほどの隕石が発見された後、それはいつものようにNASAに渡されました。見た目からは特別なところが見られなかったため、隕石は実験室で10年間も放置されました。1994年、隕石はやっと初回の検査を受けることになりましたが、誰も予想にしていなかったのは、この隕石が火星からやってきたということです。

なぜそれが分かったかと言うと、隕石の中に含まれる微量のガスが決め手でした。隕石にはガスが含まれていることがあり、その成分を分析することによって、その隕石のこれまでの歴史を推測することができます。

そして、今回の隕石の中に含まれているガスの成分を分析したところ、その成分は、火星に送られた探査機によって検出された火星の大気成分と一致しているという結果が出ました。これで、この隕石が火星からやってきたということが判明しました。これだけでも十分に珍しい発見ですが、その後の研究でさらに驚きの事実が明らかとなりました。

NASAのジョンソン宇宙センターに勤めていたDavid McKay主任研究員は、この隕石の中から、磁性細菌という菌によって代謝された磁性粒子を発見し、電子顕微鏡の画像からも、隕石の中には細菌特有の鎖状の構造を確認しました。地球の化石からも、古代地球に存在していた菌の似たような構造が確認されているため、この発見は、過去の火星には細菌レベルの生命体が存在していたことを意味するだけではなく、当時の火星は生命が誕生・存在できる環境であったということをも意味します。また、今回の発見はその後の火星探査を加速させるきっかけともなりました。

火星に生命が存在していた

昔の火星で生命が存在可能であったのなら、火星に文明が存在していたという仮説には堅牢な土台ができあがります。

以前の動画でもお話したことがありますが、地球以外の場所で存在する生命体の姿は必ずしも地球生命と似ているとは限りません。例えば、地球生命は炭素をベースとする炭素生命体ですが、シリコンをベースにしたシリコン生命体も考えられますし、実体を持たない生命体さえ存在しているかもしれません。ただし、火星に存在していたかもしれない生命体は、恐らく地球生命体と同じく炭素をベースとする炭素生命体と推測できます。その根拠として、火星からやってきた隕石の中から地球と同じ構造を持つ菌が発見されていることや、キュリオシティ火星探査車が数回に渡って火星の地表で大量の複雑な有機化合物を発見したことが挙げられます。

したがって、これらの生命体が本当に火星で文明を築き上げたのなら、その文明も今の地球文明と似ている部分が大いにあると考えられます。先ほどご紹介した火星で発見された構造物が古代エジプトの建築と似ていることは、この推測を補強する実例です。後ほどまた火星文明と地球文明の間の関係を深掘りしますが、今は、もう1つの非常に興味深い発見をご紹介したいと思います。

火星における核爆発

周期表にはキセノンという元素があります。キセノンには多くの同位体が存在しており、地球の大気中では、これらの同位体の比率には大した差はありません。また地球だけではなく、地球に落ちてきたほとんどの隕石についても、キセノンの同位体の比率はあまり変わりがありません。一方、火星の大気中に存在しているキセノンはかなり変わっていて、そのほとんどがキセノン129という同位体だけになっています。

なぜ火星にキセノン129がこんなにも多いのかはまだ分かっていませんが、1945年以降に地球で起きていたとあることによって、火星にキセノン129がたくさん存在している理由が少し見えるようになってきました。その「とあること」というのは、核兵器の誕生です。具体的には、核兵器の爆発実験などで核爆発が起きるたびに、自然界では生成されないキセノンの同位体が大量に生成されます。キセノン129もそのうちの1つです。

こちらのグラフは、火星の大気と1945年以前の地球大気に含まれているキセノンの同位体の量を示しているグラフです。見て分かる通り、火星におけるキセノン129の量の1600に対し、1945年以前の地球には、キセノン129は600しか存在していませんでした。

一方、核兵器が誕生した後の今の地球大気を見てみると、核爆発によってキセノン129の量が格段に増加し、火星とほぼ同レベルに達しています。

この結果が示唆しているのは、火星にキセノン129が大量に存在しているのは、過去の火星にも核爆発が起きていたかもしれないからだということです。とんでもない推測ですが、他の事実からも、過去の火星で核爆発が起きていたかもしれないという結論にたどり着きます。冒頭部分でもお話しましたが、火星の大気は非常に薄いため、宇宙線はそのまま火星の地表に届きます。これらの高エネルギー粒子が含まれている宇宙線が、火星におけるほとんどの放射性物質の由来です。普通に考えると、宇宙線は様々な方向からやってくるので、それらによってできた放射線物質も、火星の表面で均一に分布しているはずです。

実際にもそのようになっているのかを検証するために、マーズ・オデッセイ火星探査機の検出結果から火星全体の放射線物質の濃度分布図が作成されています。分布図を見てみると、地形などの影響で宇宙線が届きにくい場所を除いて、ほとんどの地域においては放射性物質の濃度はほぼ同レベルです。しかしおかしなことに、北半球にあるこちらの2箇所は、放射線物質の濃度がけた違いに高いのです。

さらに、実際の火星の地表写真を見てみると、放射線物質の濃度が高いこの2つの地域には、大きな痕が見られます。先ほどの、過去の火星で核爆発が起きていたという推測と合わせて考えると、その核爆発は、この2つの地域で起きていたという可能性が考えられます。

そして、もし現在の火星で検出されたキセノン129と火星の地表に残されている痕が本当に核兵器の爆発による結果であるとしても、現在の地球上にあるどの核兵器もこれほどの威力を出すことはできないという試算結果があります。つまり、これほど強力な核兵器を作った当時の火星文明は、現在の地球文明よりも発達していたと考えられます。

火星人の記憶を持つ少年

もちろん、火星で核戦争が起きていたという推測には、それを支持する科学的な証拠はありませんが、以前の「前世の記憶」という動画の中で、ボリス・キプリアノヴィッチという火星の記憶を持つ少年のことを紹介したことがあります。彼は4,5歳の頃から、自分が火星で生活していたと急に言い出しました。またそれだけではなく、普通ならまだ算数もできない年齢で、ボリスは一般人には到底理解できない高度な天文知識も語り始めました。

新聞やテレビなどの取材でボリスは世界中で有名な人物となりましたが、実は火星人としての記憶を持つと自称する人は他にも多くいます。なぜこの話をしているのかと言うと、彼らが話した内容には1つの共通点があるからで、それがまさに、過去の火星文明は惑星規模の核戦争が起きていた、という内容なのです。もちろん、これは客観的な根拠になりえませんが、ここまでの内容を総じて考えると、火星で起きていた歴史の一部は浮かび上がってきそうです。今からそれを1つの脈絡にまとめ上げ、僕なりにお話してみようと思いますが、あくまでも個人的な推測に過ぎませんので、いつものように、皆さんはSF小説として聞いてください。

失われた古代火星文明

遥か大昔、火星には現在の地球上にいる生物と似たような生命体が存在し、多様な生態系が発達していました。その中から高度な知恵を持つ種族が誕生し、彼らの手によって文明が築きあげられました。その文明は高度な科学技術を発展させるほど進化していましたが、とある時点で、想像を遥かに超えた規模の核戦争が火星で起きました。

この核戦争は当時の火星文明だけではなく、火星自体にも破滅的なダメージを与えました。核爆発による衝撃波は、火星の内部構造を混乱させ、ダイナモ作用を停止させました。惑星の磁場はその内部のダイナモ作用によって生じているので、ダイナモ作用が停止すると、惑星は磁場を失います。磁場を失い始めた火星は、地表に届く宇宙線と太陽風が徐々に強くなってきて、地表にいる全ての生物は放射線に曝される恐怖と闘うことを余儀なくされました。一人ひとりの個体が被ばくによって寿命が縮まるのはまだマシな影響で、放射線はそれ以上に、生物のDNAにも破滅的なダメージを与え、多くの生物が繁殖能力も失いました。さらに最悪なことに、磁場が失われるにつれて、火星の大気と気候の状態も変わり始め、惑星全体が、もはや生命が住むのに適した環境ではなくなりました。運よく戦争から生き残った火星人たちでしたが、結局は次なる地獄に招かれただけでした。

火星で起きた異変をもう止めることができないと認識した火星人たちは、火星環境と似ている地球への移住を決めました。当時の火星文明は惑星間航行の技術力を持っていたので、地球への移住は順調に実現できました。今よく耳にする大昔の地球に存在していた高度な科学技術を持つ超古代文明や、現在の科学技術でも複製できないオーパーツなどの話は、当時地球にやってきた火星人たちによって築き上げられたものです。

残念なことに、地球への移住は実現できたものの、宇宙線の被ばくによって、ほとんどの火星人のDNAはダメージが蓄積された状態であり、火星人の間だけではもう子孫を作ることができませんでした。ですので、彼らは当時の地球に存在していた生命体に自分のDNAを融合させ、新たな種族を誕生させました。この新しい種族は火星人の高度な知恵を継承すると同時に、繁殖能力も持っているので、火星文明は地球上で復興を成し遂げ、そのまま繁栄していくかと思われました。

しかしながら、純血の火星人が徐々に亡くなっていくにつれ、彼らが持っていた技術力と知識の伝承も上手く機能しなくなり、彼らの子孫たちはほぼゼロから文明を発展させなければならない状況に陥りました。しかし、技術力の伝承が上手くいかなかったとしても、地球にやってきた火星人たちにとって、どうしても核戦争のことを子孫たちに代々に伝えていかなければならないという想いだけは譲れませんでした。彼らは同じ悲劇を二度とこの地球で起こしてほしくなかったのです。

これこそが、現在の地球文明における多くの異なる民族や宗教の中で、火星が常に戦争や災いとリンクされている理由です。例えば、古代インドと古代中国の占星術においては、火星は災厄の星であり、戦争と死亡を意味します。北欧神話における火星は、戦争の神であるテュールを象徴し、また、ギリシャ神話における火星は戦いの神であるアレースを象徴します。その後のローマ神話において、アレースは軍神のマールスと呼ばれるようになり、火星の英語名のMarsもここに由来しています。

こんなにも多くの異なる文化を持つ民族が、いずれも火星を戦争や災いとリンクさせているのは、とても偶然の出来事とは思えず、歴史だけでも伝承していこうと火星人たちが決心していたのならば、その目的は達成されたと言えるでしょう。

ここで少し話が逸れますが、まずは動画の前半部分でお話した内容を思い出してみてください。火星のシドニア地区にある町とピラミッドの向きは、火星の夏至の日の太陽が現れる位置と0.9度の差がありますが、3万3千年前の火星なら、その差はまったくなくなります。これは、少なくとも3万3千年前の火星にはまだ文明が存在していたという可能性を示唆しています。

こうなってくると、火星人が火星を離れて地球にやってきた時期は、3万3千年前以降のいつかの時点ということになりますが、偶然にも、伝説とされているアトランティスやムー大陸なども、ちょうどそれくらいの時期に地球上に存在していたと考えられています。こういった別の角度からも火星の謎に近づけるのかもしれません。この3万3千年という数字を手がかりにすると、アトランティスやムー大陸などの正体が、実は火星人が地球で築き上げた最初の文明だったのではないかと考えることもでき、悠久の時を超えて、火星文明の痕跡が私たちの地球文明と結びついてくるようにも感じられます。

人類の本当の故郷

ここまでは推測による話ばかりでしたが、実は研究者の目線からも、似たような結論が出ているようです。以前の動画で、アメリカの生物学者のエリス・シルバー博士による次のような主張を紹介したことがあります。

本来であれば、地球上でもっとも進化した生物である人類は、他のどの種族よりも地球の環境に適合しているはずです。しかし実際のところ、人間の体は地球環境にそれほど適合していません。

例えば、動物界において、体のサイズが大きい動物はほとんど四足歩行です。その理由は、体のサイズがある程度大きくなると、地球の重力下では四足歩行が最も体に負担が少ない歩き方だからです。しかし、人間だけが他と違って、体が大きいのにも関わらず二足歩行です。さらに、四足歩行から二足歩行に変わるのは、進化の過程において徐々に起きるものと思われていましたが、アフリカで生まれた初期の人類である「アウストラロピテクス」の化石に対する研究結果からは、二足歩行の霊長類は進化の過程を省いたかのように、突然地球上に現れたことが示唆されています。

また、人類は二足歩行と地球の重力に適していないせいで腰痛という生理現象に悩まされていること、人間の皮膚は長時間に渡って太陽光に晒されるとダメージを受ける構造になっていること、人間の体内時計は24時間ではなく、25時間になっていることなどから、人類はあらゆる面で地球の重力と環境に適合しない性質を持っています。したがって、シルバー博士が思うには、人類は地球で誕生したオリジナルの種族ではないというのです。

論理的に飛躍した仮説ではありますが、今回のテーマと合わせて考えると、興味深い結論が得られます。火星の重力は地球の重力の約3分の1という点から、火星の生命体は体が大きくても不都合なく二足歩行が可能でしょう。火星の自転周期は約25時間であるという点から、火星の生命体の体内時計も25時間になっているはずです。そして、火星は地球より太陽から離れているという点から、火星の生命体の皮膚は長時間太陽光に晒されてもダメージを負いにくいはずです。これらの点を総じて考えると、地球より火星のほうが人類の持つ様々な性質に適合していると言えるでしょう。

最後に

ただし、火星人のDNAを継承したことが、私たちにとって良いことだったのかどうか、手放しに肯定的に捉えることは難しいところです。火星人たちは火星で起きた災いを二度と地球で起こすことのないように、代々歴史を伝えてきたのに、結局、地球上では絶えず争いや戦争が続いています。私たちが火星人のDNAを継承していて、そこに潜む残虐性こそが人間の本性である限り、文明は常に同じような末路を辿ることになるのかもしれません。

前回の動画でもお話しましたが、イーロン・マスクは人類の火星移住計画を推進しています。彼が立ち上げたSpaceXが開発したStarship宇宙船は、移住計画を実現可能なレベルに引き上げ、あと数十年もすれば、人類を火星に送る惑星間航行が実現すると予想されています。なぜわざわざ火星に移住する必要があるのかについては既に前回の動画で詳しく紹介しましたが、その理由や経緯とは別に、この時代の流れの中で、実は私たちのDNAに刻まれている何かが、私たちを故郷に呼び戻しているのではないでしょうか?人類は火星に降り立った瞬間、何を感じ取るのでしょうか?

それでは、最後までありがとうございました。

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