「臨死体験」から解明された「魂」の本質にせまる

ミステリー

はじめに

私たちは夢の中で、様々な奇妙なシーンを体験しています。これらのシーンは論理的でもなければ、合理的でもありません。例えば、空を飛んだり、一瞬の間に自分の居場所が変わったり、既に亡くなった家族と会話をしたりなどが挙げられます。しかし妙なことに、普段ならあり得ないはずのこれらの出来事は、夢の中では、何一つおかしく思いません。夢を見ている時の私たちは、その中の世界を本物の世界だと思っており、そこで起こる様々な出来事も実際に起きていると思っています。

人間の感情の変化によって遺伝子の変異が起きるという研究結果がありますが、夢の中で起こった感情の変化も同じく、遺伝子の変異を引き起こすことがあるそうです。これは何を意味するのかと言うと、肉体にとっては夢の中の世界は現実ではありませんが、意識にとっては夢の中の世界はもう1つの現実世界だという事です。では、夢の中の世界と今回のテーマの「臨死体験」とどんな関係があるのか?実は、臨死体験の中で見た世界は、夢の中で体験する「もう1つの現実」よりも、もっと現実性が高く、もっと不思議なのです。そして、臨死体験を研究することで、意識もしくは“魂”というものの本質も見えてきています。今回は、臨死体験と、意識や“魂”についてお話していきたいと思います。宗教的な話ではなく、科学的な視点からの分析となっています。ぜひ最後までお付き合いくださいね。

臨死体験の4つのパターン

臨死体験とは?

臨死体験というのは何なのかと言うと、病気や事故などによって、心肺停止などの重篤な症状に陥った状態を臨死と言います。臨死状態から蘇った一部の患者は、意識を失っていた間で様々な不思議な景色や出来事を体験したと報告しています。これらの不思議な体験を、臨死体験と呼んでいます。サム・パルニアはニューヨーク大学医療センターの准教授兼医師です。彼は救命救急科の専門医として長年キャリアを重ね、その中で数多くの臨死体験を研究していました。数多くの臨死体験を現場で研究することができるサム准教授は、多くの臨死体験に関する論文を発表しました。まずはこれらの論文から、臨死体験ではどのようなことを体験または感じていたのか見ていきましょう。

体外離脱

1つ目は、「体外離脱」です。体外離脱とは、意識が肉体から抜け出たという状態のことです。臨死体験をした人のほとんどは、体外離脱を経験していました。患者の話によると、体外離脱をしている時は、自分自身の姿や家族を上から見下ろしていた、もしくは地球自体を俯瞰していたそうです。一般的には、体外離脱で体験する内容は、その人の幻覚や幻視だと思われていますが、一部の患者は、臨死では絶対に見えるはずのない、自分とは別の部屋にいた医師や看護師の顔、病室の天井裏に置かれていた物の形状と色など、意識が戻った後で正確に復元することができました。これは、体外離脱はただの幻視ではなく、その人の意識が五感を通さずに周りの環境を観察することができたということを意味します。

亡くなった親族との出会い

2つ目は、亡くなった親族との出会いです。患者の話によると、既に亡くなった親族が部屋の中に現れ、自分に話かけてきたり、部屋の中を歩いたりしていたそうです。恐怖心を感じるかもしれませんが、それを体験した患者の当時の気持ちは、非常に心が温かく感じて、落ち着いた気分になったそうです。

戸惑い

3つ目は、戸惑いを感じることです。臨死体験においては、肉体は瀕死状態にありますが、意識は徐々に蘇ってきます。その蘇る過程において、自分は誰なのか?どこにいるのか?何が起きているのか?などの強い戸惑いを感じていたそうです。

自由

4つ目は、自由を感じることです。瀕死状態から蘇った後の患者は、今まで体験したことのない自由を感じていたそうです。具体的にどのような自由なのかをうまく表現できない方がほとんどでしたが、なかなか忘れられない感覚だと言う人は多くいました。また、経験したことのない安堵感、温かい光に包まれた感覚なども多く報告されています。

臨死体験のリアル性

今までお話しした内容は、最も報告されている臨死体験のパターンですが、僕が注目したのは次の報告です。

「臨死体験で感じていた世界は、現実世界よりももっとリアルで、感じ取っていた様々な感覚も普段より一層リアルに感じる。現実世界と臨死体験で見た世界の現実性の差は、現実世界と夢の中の世界の現実性の差と同じだ」

という内容です。これは何を意味しているのかと言うと、私たちが人生を歩んでいるこの現実世界は、夢のようなものであり、臨死体験で体験したあの世界のほうが現実性を持っているということです。また、多くのケースにおいて、臨死体験の中では、難解なことを理解できるようになった、悟った、などの内容も報告されています。

なぜこのような現象が起きているのか?科学的な根拠に基づいていませんが、僕の理解としては、私たちの意識レベルは3段階に分けられます。夢、現実世界、臨死体験の世界。夢の中では、意識レベルは最も薄くて弱く、感情は感じられますが、まともな思考は困難です。現実世界の中では、意識レベルが一段階上がり、はっきりとした思考能力と認識能力を持つようになります。そして臨死体験の世界においては、意識レベルはさらに一段階上がり、現実世界では考えられないような様々なことができるようになります。では、なぜ意識にはこのような状態の違いがあるのか?ここから、今回のお話しの核心部分に入ります。人間の意識は一体何なのか?人が亡くなった後、意識はどうなるのか?私たちは、魂を持っているのか?今から、これらの答えを探してみましょう。

”魂”は存在している

意識と量子の関係

物理学者のロジャー・ペンローズは、ブラックホールに関する研究で2020年のノーベル物理学賞を受賞しました。彼は「量子ソウル(Quantum Soul)理論」、もしくは「量子脳理論」とも呼ばれるとんでもない理論を提唱しています。なぜとんでもないかと言うと、“魂”や“ソウル”は正統派の科学界が絶対に触れることのない分野です。しかしペンローズの「量子ソウル理論」は、「魂は実在している」という主張を持っています。彼が思うには、機械による人工知能がどれほど発達しても、“意識”もしくは“魂”という点において、永遠に人間に勝つことができません。現在の人工知能は根本的に言えば、機械的な計算によって思考を行っています。しかし人間の“意識”は、量子の働きによるものだとペンローズは思っています。どういうことかと言うと、人間の脳の中には、量子もつれ状態にある電子が大量に存在しています。これらの電子は収縮→量子もつれの状態に戻る→収縮→量子もつれ状態に戻る、というサイクルを繰り返しています。電子が収縮すると、人間には1つの具体的な思考もしくは感情が起きます。このような過程の繰り返しによって、人間は“意識”を持つようになります。

意識は亡くなったあとも存在する=魂
神経細胞にある微小管

ここまでのペンローズの主張は、まだ正統派の科学界にとっては受け入れられるものです。しかしその先の主張は、飛躍しすぎる考え方になっています。この理論によると、人間が亡くなった後、その人の意識は量子の形として存在し続けます。この時の意識は肉体から離れて、宇宙のどこかに戻ります。聞いてお分かりの通り、この主張にある“意識”というものは、俗に言う“魂”という概念と変わりがありません。続いてペンローズは、臨死体験が起きる理由についても触れました。意識が量子状態として存在できる理由は、私たちの脳の神経細胞にある「微小管(びしょうかん)」という、直径約25ナノメートルの管状の構造にあります。この構造は、量子特有の「状態の重ね合わせ」と「量子もつれ」という特徴を持っている可能性があり、意識が量子状態として存在しているのは、微小管が深く関わっています。

微小管で起こる量子特有の「状態の重ね合わせ」と「量子もつれ」が深く関わる

これを理解するために、まずは「状態の重ね合わせ」からお話します。量子は同時にいくつかの異なる状態を持っています。例えば、右にも回転していますし、同時に左にも回転しています。Aの場所にいますし、同時にBの場所にもいます。この不思議な現象を、「状態の重ね合わせ」と言います。ここで考えてみてください。私たちの意識も、いくつかの考えを同時に持っていますし、いくつかの感情を同時に持っています。これはまさに量子の「状態の重ね合わせ」と同じではないでしょうか。次に、もう1つの特徴の「量子もつれ」についてですが、もちろんですが人間が亡くなった後は脳や微小管は機能しなくなります。しかしそれでも、その人の意識は存在し続けているとペンローズは考えています。その理由は、「量子もつれ」に隠されています。

「量子もつれ」状態にある2つの量子は、仮に1億光年離れたとしても、2つの量子の間には状態の共有が常に起きています。例えば、地球から1億光年先にある片方が右回転すると、地球にあるもう片方は瞬時に左回転をします。「量子もつれ」状態にある2つの量子はまるで、見えない糸で繋がっているようです。これが意識とどういう関係があるのかと言うと、量子状態として存在している人間の意識は、宇宙のどこかに存在している意識体と、「量子もつれ」の状態にあります。つまり両者は、1つの見えない糸で繋がっています。そして、人が亡くなって脳が機能しなくなった後、人間の脳内にあった意識は消えているように見えますが、宇宙側の意識体は消えていないので、その意識体と「量子もつれ」状態にある人間側の意識は存在し続けます。臨死体験で様々な不思議なことを経験した理由もこれで説明がつきます。肉体が瀕死状態になり、それによって脳が機能しなくなり、人間側の意識は肉体から離れていきますが、宇宙側の意識体と「量子もつれ」によって繋がっているので、その人の意識は生きています。その後、肉体が瀕死状態から蘇って、人間側の意識は肉体に戻ります。そうすると、瀕死状態の間で肉体から離れた意識が体験した様々な出来事が、いわゆる臨死体験として残ります。

真実の目
真実の目

このように、ペンローズは、人間が亡くなった後、意識はなくなることがなく、宇宙のどこかに戻るということを思っています。もちろん、ノーベル受賞者のペンローズが提唱した理論とは言え、あまりにも飛躍的過ぎることから、研究者の多くはこの量子ソウル理論に反対意見を持っています。この理論が正しいかどうかの実証は、恐らく量子力学や生物学が今より発達した遠い未来になると思います。

真実の目からの見解

「魂は存在していて、それは高次元からの投影。私たちの本体は高次元に存在」

“魂”というものは存在しているのか?僕個人的には、存在していると思います。ペンローズの理論では、人が亡くなった後、意識は“宇宙のどこかに戻る”と主張しています。ここの“宇宙のどこか”というのが、重要なポイントだと思います。4次元空間に関する動画や投稿の中で、この宇宙には、私たちが生きている3次元以外に、もっと高い次元が存在している可能性があるというお話をしました。現段階での数学上の計算結果から、この世界は11次元まで存在しているということが分かっています。これが“魂”とどういう関係があるのかと言うと、私たちの“魂”の本質は、高次元に存在しているモノから3次元へ投影されているモノだと考えられます。どういうことかと言うと、私たちは、3次元空間に存在している肉体と、1つ上の4次元空間に存在している“意識”で構成されています。そして、人間側にある意識と、4次元に存在している意識は、量子もつれによって糸のように繋がっています。人が亡くなった後、人間側の意識が戻る場所はこの3次元宇宙のどこかではなく、4次元空間に戻ります。同じように、4次元空間に存在しているあの意識も、1つ上の5次元空間に存在しているモノの投影です。

このように遡っていけば、全てのモノが11次元に存在しているものの投影ということになります。その11次元に存在しているものこそが、我々の本体であり、我々の本当の姿です。

「高次元にいる本体からの投影であるからこそする不思議な体験」

では、なぜ高次元にいる私たちの本体はわざわざ低次元に投影しているのか?という疑問を持つかもしれませんが、低次元への投影は“わざわざ”ではなく、自然に起きる出来事です。私たちが太陽に照らされれば、私たちの影は自然に地面に投影されます。意識の投影も似たような感じだと思います。これは、避けようと思っても避けられないこの宇宙の法則です。この理論に沿って考えれば、臨死体験、魂、輪廻転生などの不思議な現象は説明がつきます。つまり、人間にとって、死は肉体の終点ではありますが、意識はまたそこから新しい旅を始めるかもしれません。臨死体験を経験したほとんどの人が感じた、安堵感やリラックスしたという感情は、もしかしたら、意識が元のあるべき場所に戻れた感情の現れかもしれません。

コメント

  1. みやっち より:

    例えば夢の中で次元の行き来ができるのは
    可能なのかしら、、

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