「宇宙の謎 6選」永遠に解明できないであろう宇宙の謎

宇宙奇譚

数百年前に比べて、人類の宇宙観が大きく進歩し、この宇宙に潜む数々の謎を解明してきました。しかし、我々人類の科学技術がどれほど進歩しても、恐らく永遠に解明できない謎もあります。今日は、そのような宇宙に関する6つの謎をご紹介したいと思います。

ビッグバン以前の世界はどうなっている?

「ビックバン理論」というのは、宇宙の始まりは、異常に高温高密度の一つの“点”であることを主張する理論です。この“点”は、特異点(Singularity)と名付けられ、その特異点の中に、宇宙の全ての物質とエネルギーを含んでいました。

この特異点が膨張した瞬間から、空間と時間が生まれ、宇宙が誕生しました。その後、空間は絶えず膨張し続け、時間は常に未来という一つの方向に流れています。

ビッグバン理論が広く認められている理由は、銀河の赤方偏移や宇宙マイクロ波背景放射などの、ビックバン理論が予言していた現象が実際に観測されたからです。

しかし、ビッグバン理論が正しいであれば、いくつかの大きな疑問点が生まれます。

特異点に含まれている物質とエネルギーはどこからきたのか?そもそも特異点はなぜ存在し、なぜ膨張したのか?特異点は一つだけなのか、それとも無限に存在するのか?さらに、空間と時間の中で生きている我々にとってもっとも理解できないことは、ビッグバンより以前、つまり空間も時間も存在していなかった状態は、一体どのような状態なのか?

余談ですが、各国の多くの宗教や神話では、この世界は、混沌(こんとん)、カオスの状態から始まった、と主張しています。この状態は、何となく膨張する前の特異点を描写しているように思いませんか。宇宙誕生の謎は、人類の文明が滅ぶまでに、解明できるのでしょうか?

宇宙は意識を持っている?

ノーベル物理学賞受賞者のロジャー・ペンローズさんがある興味深い発言をしたことがあります。

ビッグバンによって、ブラックホール宇宙(宇宙の全てが一つのブラックホール)が誕生する確率は、現在の宇宙が誕生する確率より、100億の30乗倍も大きい。

つまり、ビッグバンが100億の30乗回起きたときに、現在のような宇宙が誕生する回数は、ただの1回だけということです。

さらに、この世界の物理法則を表している様々な物理公式に、値が変化しない物理定数があります。これらの定数は、どれでもちょうど良い値にあります。無数の公式の中の一つの公式の定数でも、ちょっとだけ現在の値と違ったら、この世界が成り立たなくなります。生命の誕生はともかく、星さえ形成できなくなります。

もちろんこれは結果論かもしれませんが、今の宇宙が存在する確率がどれほど低いか、よく分かったと思います。そこである疑問が生まれます。この宇宙の誕生は、本当に偶然なできごとなのか?宇宙は、なんらかの意識によって生まれたのではないのか?この宇宙は、意識を持っているのではないでしょうか?

ダークマター、ダークエネルギーの正体は?

あなたが今この投稿を読んでいる間にも、重さ数十トンのダークマターが体を貫通しています。でも、あなたはこれらのダークマターの存在を全く感じることができません。なぜなら、これらの物質は、光を発しない、反射しない、吸収しない上、電磁相互作用も持っていません。

ダークマターは、質量だけを持っています。聞いて驚くかもしれませんが、我々が見える、触れることのできる物質の質量は、計算上の宇宙全体の物質の総質量のわずか4.9%しか占めていません。残りの95%の質量は、ダークマターとダークエネルギーです。

この事実をもとによく考えてみると、ある怖い現実に気がつきます。我々は5%の物質しか感じられないのなら、残りの95%の世界はどんな世界なのか?その世界の中には、ダークマターでできた生命体はいるのか?5%の物質でできた我々の世界のほうが、「ダーク」と呼ぶべきではないのか?この世界の全貌は、一体どんなものなのでしょうか?

ブラックホールの中はどうなっている?

宇宙で最も怖い天体と言われているブラックホールは、その周りの全ての物質を吸い込んでしまい、光さえ逃しません。ブラックホールの強力な重力によって、その付近の空間だけでなく、時間にまで歪みが生じます。

もし人が意識を持ったままブラックホールに入ることができるなら、外の世界が映画の高速早送りのように見えます。ブラックホールの中に5分間しかいませんが、外の世界は既に数百万年もしくは数億年進んだかもしれません。これは、重力が大きい場所ほど、時間の流れが遅くなるからです。

ブラックホールの中心も、「特異点」と呼ばれています。なぜなら、ブラックホールの中心は重力が無限大とされています。ブラックホールはホーキング放射によって蒸発し、最期を迎えると、スティーブン・ホーキングが提唱しましたが、一方で別の理論によると、ブラックホールのもう一つの最期は、吸い込まれた全ての物質とエネルギーを一瞬で放出し、ビッグバンのような爆発を起こすということです。

一説では、宇宙の誕生は、実はブラックホールの、このような爆発によるものだということです。爆発は一瞬で終わりますが、ブラックホール自体の重力が非常に大きいため、飛ばされた物質自体の時間の進みは非常に遅く、星や生命の誕生に十分な時間が与えられています。これによって、数多くの宇宙が誕生し、我々のいるこの世界もこのように誕生しました。もちろん、これはあくまで一つの仮説です。SF小説としてとらえてください。好奇心の強い人なら、きっとブラックホールの謎を一日でも早く解明されてほしいと願うでしょう。

時間は一体どんな存在?

「時間は平等だ」という言葉は、誰でも聞いたことがありますね。我々の認識では、時間の流れる速度は一定です。しかし、あの天才物理学者のアインシュタインが、時間と空間は相互に関連した物で、この世界は「時空(Spacetime)」と呼ぶべきと提唱しました。さらに、時間の流れる速さも一定ではなく、物体の動くスピードが早ければ、物体自身における時間の進みが遅くなること、重力が大きい場所ほど、時間の流れる速さが遅くなることを、アインシュタインが証明しました。

現在、この理論は実証されており、GPSなどの技術で活用されています。でも、この事実に基づいて深く考えてみれば、時間は一体どんな存在でしょう?時間と空間は相互に関連しているのなら、なぜ空間においては、上下左右前後と自由に動けるのに対して、時間においては、「未来」という一つの方向しかないのでしょうか?もし時間という次元においても、自由に動ける方法を見つけたら、タイムトラベルが実現可能になるでしょうか?もしくは、そもそも、時間というのは、ただ人間が作り出した概念で、客観的に存在しないものでしょうか?

生命はどうやって誕生した?

ある研究チームがスーパーコンピューターを利用して生命の誕生に関するシミュレーションを行いました。それは、原始地球の環境において、無機化合物からアミノ酸の形成、アミノ酸からタンパク質の形成、タンパク質から簡単な生命体の誕生、という過程です。結果は驚きです。地球年齢の46億年を経過しても、無機化合物からアミノ酸の形成は成功しましたが、アミノ酸から、一つのタンパク質もできませんでした。7x10の18乗年を経過してから、やっと一つ目のタンパク質が誕生しました。この7x10の18乗年という時間は、なんと宇宙年齢138億年の5600万倍です。

ここで知ってほしいのは、もっとも単純な細胞にも、約300個のタンパク質が含まれます。その上、生命体は、タンパク質だけでなく、炭水化物、糖類、核酸などの複雑な有機化合物どうしの、絶妙な噛み合いと働きによって存在しています。

このような高次元の構造をもつ生命体は、地球年齢の46億年で、大自然の中で偶然に形成できる確率はゼロであることを、スーパーコンピューターのシミュレーションが示しました。人類が発展させた科学技術によって、スマホ、CPU、原子爆弾などの複雑な構造物をつくることができました。しかし、生命体の中でもっともシンプルな構造を持つウィルスを、培養によって作れますが、必要な原料だけ与えてゼロから作ることができません。

生命体より簡単に作ることができるスマホは、大自然の中で偶然にできるわけがないのは、誰でも認めるのに、もっと高度な構造をもつ生命体は、大自然の中で偶然にできたものです、という論理は、おかしくありませんか?

皆さんいかがでしたか?この世界は、奥深い謎が多すぎると思いませんか?機会があれば、今回ご紹介した謎を深堀していくので、気になるテーマがあれば、コメント欄で教えてください。

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