因果関係を覆した物理実験:未来が過去を変えられる、意識が現実を変えられる【二重スリット実験】

世界の真相

はじめに

我々の意識が、この世界の物理現象を変えられる。出来事の結果は、原因より先に起きることがあり得る。未来が、過去を変えられる。

「この人何を言っているんだろう」と思うかもしれませんが、僕が言ったこれらのことは、ある物理実験から観察された実験結果なのです。この実験は、時代を超えた研究者によって何度も改変されていて、その度に実験結果がどんどん常識を覆していき、中には恐怖さえ感じてきた研究者もいました。今日は、この世界の本質を解明したかもしれない、最も不思議な物理実験をご紹介したいと思います。物理の知識を持っていなくても、内容は理解できますので、ご安心して最後までご視聴ください。

二重スリット実験

本題に入る前に、少しだけ知っておいていただきたい内容があります。300年前の人々は、まだ「光」の本質を理解できていませんでした。当時一番偉い物理学者のアイザック・ニュートンは、光は一つ一つの小さい粒子であることを主張していました。

しかし1807年、トマス・ヤングという物理学者が一つの簡単な実験で、光は単純な粒子ではないということを証明しました。この実験が、今日の主役の「二重スリット実験」です。

実験の器材は3つのパーツで構成されています。光源、2本の狭いスリットのある板、光を受けるスクリーン。スリットのある板は、光源とスクリーンの真ん中に置いてあります。光源を付けると、光は2本のスリットを通過し、スクリーンを照らします。

もし光が単純な粒子であれば、光源から放たれた粒子が2本のスリットを通過した結果、2本の直線の模様がスクリーンに現れるはずです。

でも実験の結果、実際にスクリーンに現れたのは、2本の直線ではなく、濃淡のある縞模様です。この縞模様は、水の波や音波などの、波の重ね合わせによって形成された模様と全く同じです。

このことから、光は単純な粒子ではなく、波であるということが証明されました。

しかし、この実験の100年後、アインシュタインやルイ・ド・ブロイなどの物理学者の研究で新たに分かったことは、光は粒子でもあり、同時に波でもあるということです。現代の研究者たちは、光は「粒子性」と「波動性」を併せ持つ、という表現を使っています。光の一つ一つの粒子は、「光子」と呼ばれています。少々前書きが長くなりましたが、不思議なことはここから始まります。

改変:二重スリット実験

二重スリット実験の1回目の改変は、1909年に、ジェフリー・テイラーという物理学者によって設計されました。

彼は、光源の出力量を調整し、光子を一つずつ光源から放つようにしました。こうすることにより、一回の発射で板に到着する光子の数が一つしかないので、板にある2本のスリットの内、どちらかの1本しか通過しません。常識から考えると、これで光子たちの間で起きる波の重ね合わせがなくなることになります。つまり、初代二重スリット実験で観察された縞模様が、2本の直線になるはずです。

テイラーがこのような結果を予想して実験を始めましたが、なぜかスクリーンにはまだ、波の重ね合わせによる縞模様が現れています。装置を確認しましたが、照射時に板を通過する光子の数は、確実に1個しかありません。この予想外の実験結果に対して、テイラーはこう解釈しました。

一個の光子が、同時に2本のスリットを通過し、光子自身の間で、波の重ね合わせが起こった

しかし、この解釈はあまりにも常識とかけ離れているため、ほかの研究者たちは、スリットの前で光子の動きを観察するカメラの設置を提案しました。これで、光子が本当に2本のスリットを同時に通過したかを証明できます。

70年後の1970年代後半、とうとう光子の動きを捉えられるカメラが開発されました。物理学者たちは早速実験の検証を行いましたが、彼らはここで初めて、物理実験の結果から不気味さを感じました。

テイラーの実験と同じ仕組みで、光子を一個ずつ発射していくと、スクリーンに縞模様が現れました。

次に、1つの光子が本当に2本のスリットを同時に通過しているかを観察するため、スリットの前に設置されているカメラがONにされました。不思議なことに、カメラをONにした瞬間から、スクリーンにあった縞模様が消え始め、代わりに2本の直線がスクリーンに現れ始めました。カメラで捉えた映像からも、1つの光子は1本のスリットしか通過していません。

この状態で再びカメラをOFFにすると、スクリーンにあった2本の直線が消えて、縞模様がまた出てきました。全ての過程において、カメラのスイッチ以外、他の実験装置には一切触れられていませんし、もちろん実験の条件も変わっていません。

真実の目
真実の目

これはまるで、光子が意識を持っているかのように見えます

光子は、カメラがOFFの状態で、つまり自分が観察されていない時は、自分の波動性を表します。カメラがONになり、自分が観察されていると分かると、おとなしく一つのスリットだけを通過し、粒子性を表します。これは非常に理解しがたい現象です。なぜなら、今までの全ての物理現象は、人間がその過程を観察しようがしまいが、最終的な結果は変わりません。

例えば、シュートされた後のボールがゴールするかどうかは、ボールの飛ぶ過程が人間に見られているかどうかと関係がありません。しかし今回の実験は、人間がその過程を観察するかどうかで結果が変わります。

別の言い方をすると、観察という行為は人間の意識によって生まれた行為であり、実験の結果は事実上、人間の意識によって変わっています。なんと、人の意識は物理現象に影響を与えないという古典物理学の鉄則が、破られました。もちろん最もショックを受けたのは、物理学者たちです。でも彼らは諦めていません。その仕組みを解明するために、実験がさらに改変されました。

改変2:二重スリット実験

次の改変は、ジョン・ホイーラーという物理学者によって設計されました。

彼は新たに、半透明ミラーなどの光学機材と、いくつかのカメラを実験過程に追加しました。具体的な仕組みは少し複雑なのでここでは省略しますが、ホイーラーの目的を簡単な言い方で説明すると、板の前ではなく、その後ろに設置したカメラで光子を観察することです。

まず、板とスクリーンの間に設置されたカメラを、OFFにした状態から実験を始めます。どこにも光子を観察するカメラがないので、スリットを通過する光子が波動性を示し、スクリーンに縞模様が現れました。

ある時点で、スリットの後ろにあるカメラをONにすると、スクリーンにあった縞模様が消えて、2本の直線が出てきました。

またカメラをOFFにすると、直線が消えて、縞模様がまた現れました。

もしかしたら気が付いている方がいるかもしれませんが、この結果は、見事に因果関係を覆しました。

より理解しやすくするために、板の後ろにあるカメラの距離を1光年までに拡大して、もう一度実験を見てみましょう。カメラがOFFの状態で実験を開始します。光子が板のスリットを通過し、どこにも光子を観察するカメラがないので、光子は波動性を示し、二つのスリットを同時に通過して、波の重ね合わせが起こります。このままスクリーンにたどり着くと、縞模様が現れます。しかし、光子がスリットを通過した1年後の時点、つまり光子がそろそろカメラを通過しようとする時に、カメラをONにします。結果、本来スクリーンに現れるはずの縞模様が、2本の直線になります。

これが何を意味しているかというと、カメラをONにすることで、1年前に起きた、光子が二つのスリットを同時に通過し、波の重ね合わせが起きたという歴史が、光子が一本のスリットしか通過していなく、波の重ね合わせが起きていないという別の歴史に変わったということです。この歴史を変えたきっかけは、1年後に起きたカメラをONにする動作です。なんと、未来が過去を変えられるということは、この物理実験で証明されました。

このとんでもない結果を我々がもつ現段階の常識で考えると、次の2つの解釈があります。

  • 一つ目は、時間というものは実は存在しない。過去も、現在も、未来も、全て同時に存在している。従って、時間に基づいた因果関係というものも存在しない。全ての出来事は、宇宙が誕生した時点で既に起きており、我々はただ、これらの出来事を映画のようにワンシーンずつ体験しているだけである。時間が存在し、時間が未来という方向に進んでいるのは、人類の意識が作った幻覚である。そうでなければ、人間の脳は過去と未来に起きる全ての出来事を一斉に処理する必要があり、その結果パンクしてしまう。
  • 二つ目の解釈は、我々の意識が、物理現象や自然現象に影響を与えている。世界は人間の意識を感知でき、応えてくれる。しかし現在は、これを光子、電子、原子レベルのミクロスケールの世界でしか実現できていません。マクロスケールの世界でどうやってそれを実現するか、まだ分かりません。もちろんこれは僕個人的な解釈で、物理学者たちはこれらを解明するため日々研究しています。

最後に

実は初代二重スリット実験とその後の改変された実験は、現代物理学の量子力学という分野が誕生したきっかけとも言える実験です。これらの実験結果は常識を覆しましたが、量子力学の分野において、似たような不思議な現象は他にもたくさん存在しています。この世界の真実は一体どうなっているのか、死ぬまでにはまだ全貌が解明されていないだろうという現実を考えると、少し悲しくなりますよね。

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