【マンデラエフェクト】なぜ歴史は書き直された?この世界はリセットされていた?

ミステリー

はじめに

今回の内容はある一つの都市伝説から始まります。

2007年ごろ、自称スウェーデン人の投稿主がYouTubeに数本の動画を投稿しました。これらの動画には、「2012年12月22日」という撮影日時が表示されています。つまり、これらの映像は、投稿された2007年当時でいえば、未来からの映像ということなります。投稿主も、そのように主張していました。常識で考えれば、このような投稿はいたずらか注目を浴びるための方法に思われますが、映像に表示されている2012年12月22日という日付と、その動画の内容は、多少なりとも人々の注目を引きました。

まず日付についてですが、マヤ文明の神話と予言によると、人類が誕生する前、地球には4つの高度な文明が存在していたという事です。そして5つ目の文明として登場した現在の人類の文明は、2012年12月21日に終わりを迎えます。その後、6つ目の新しい文明が地球上に現れます。また、マヤ文明で用いられていたマヤ歴も、ちょうど2012年12月21日から1つの新しい区切りを迎えます。

続いてこれらの映像の内容についてですが、投稿主が投稿した映像の長さはなんと6時間ほどもあります。映像では、人々が何らかの災害から避難している様子が映っており、爆発の様子や空に浮かぶ光る大きな円盤状の物体も見られます。

これらの映像はアップロード後に間もなくYouTubeに削除され、他のSNSでも多少は拡散されましたが、それらもすぐに削除されました。現在では、映像の一部のスクリーンショットと当時映像を見ていた人たちの証言しか残っていません。

当然、2012年12月21日に、現在の人類の文明が終わるような出来事は起きなかったので、今となってはこの映像は一つの都市伝説としか思われていません。では、この都市伝説が今回のテーマの「マンデラエフェクト」とどのような関係があるのでしょうか?結論から言いますと、それはマンデラエフェクトが起きた理由である「世界線の重なり」と「世界のリセット」と関係があります。これが一体どういうことなのか、今から解説していきます。気になる方はぜひ最後までお付き合いください。

「マンデラエフェクト」とは

南アフリカ前大統領のネルソン・マンデラ

ご存じの方もいるかと思いますが、マンデラエフェクトという言葉は、南アフリカ前大統領のネルソン・マンデラに由来しています。

マンデラエフェクトを初めて提唱したのは、FIONA BROOMEという人物です。彼女は超常現象について研究しており、それについての書籍も多く出版しています。2009年にあったとある作家たちの集まりで、FIONAが他の小説家数人と雑談している時に、話題がマンデラ大統領の話になりました。そのうちの1人が、1980年に行われたマンデラ大統領のお葬式の話をし始め、FIONAを含む他の数名もその話に沿って、彼の葬式に関する自身の感想を話していました。その中で、1人の作家が困惑した表情で次の一言を発しました。

「マンデラ大統領は生きているよ、あなた達は何を言っているの?」

彼女を含めその雑談の中にいた数名は驚き、すぐにその場で他の参加者に確認しました。確かにマンデラ大統領は2009年当時、まだ生きているということが確認されました。しかしFIONAは納得いきません。確実に彼女は、マンデラ大統領が獄中で亡くなったニュースを見た記憶があり、彼の奥さんが葬式で行ったスピーチもはっきりと覚えています。

あまりにも不思議に思ったFIONAは、「マンデラエフェクト」というサイトを立ち上げて、似たような経験を持つ人がどれくらいいるのかを調査し始めました。調査を始めて数年後、2013年にマンデラ大統領が亡くなりました。そのニュースが世界中に広がった時、FIONAと同じく、マンデラ大統領は既に亡くなっていたのではないかという人がたくさん出てきました。

発足当時の「マンデラエフェクト」というサイトの注目度は低く、あまり相手にされていませんでした。しかし、大統領の死後、同じような記憶を持っていた人が現れたことによって、有名なサイトとなりました。

1989年のIBMのCM

さらにこれとは別に、他の似たような記憶のずれも多く発見されました。例えば、あの有名なブロンズ像の「考える人」の手が置かれている場所は、多くの人の記憶の中では、額です。これらの写真にある像の横の観光客たちも、手の位置は額です。こちらの1994年に上映された香港映画の中で登場する「考える人」の像も、手の位置は額です。1989年のIBMのCMの中でも、手の位置は額です。

額に手を当て写真を撮る観光客

しかし皆さんは「考える人」を検索してみてください。出てくるどのバージョンの像でも、彼の手の位置は額ではなく、顎です。妙なことに、先ほどお見せした額に手を当てている観光客たちの写真にあるブロンズ像も、なんとその手は額ではなく顎に手を当てています。もし像の手が最初から顎に当てているのであれば、なぜ観光客たち全員が像と異なる場所に手を当てたポーズで写真を撮ったのでしょうか?百歩譲って観光客たち全員が間違ったとしたら、当時の映画やCMも同じように間違ったのでしょうか?

ルーブル美術館にあるモナ・リザの絵

また、別のいくつかの有名なケースとして、レオナルド・ダ・ヴィンチのモナ・リザの表情はほぼ無表情である、という多くの人が持っているイメージがあります。その顔が、微笑んでいるかどうかの審議は微妙なラインにあることから、この表情が謎の微笑とも言われている所以です。しかし、現在ルーブル美術館にあるモナ・リザは、完全に微笑んでいます。もし、モナ・リザの表情が初めからこのような微笑みであれば、その表情に関する今までの様々な議論には、違和感を覚えてしまいます。

さらに、地図上にあるオーストラリアの位置、ピカチュウの尻尾の色など、記憶が現実とずれているケースがたくさんあります。

このような“ずれ”は「マンデラエフェクト」と呼ばれ、現在では一つの現象としてその存在が認められています。多くの人は、この現象をただの記憶の間違いだと解釈しています。しかし、マンデラエフェクトという言葉の本当の定義は、「起きていたことが書き直された」ということです。つまり、過去の出来事が何らかの原因で変わってしまったということです。なぜこのようなことが可能になるのか、今から解説していきます。あくまでも個人的な見解なので、いつものようにSF小説として聞いてください。

並行世界の重なり

マンデラエフェクトが起きた理由の一つの可能性としては、並行世界の重なりです。

人々が決断や選択をした瞬間に誕生する新しい別の世界

過去にパラレルワールドの動画や投稿でもお話ししましたが、「多世界解釈」によると、私たちのこの世界の他に、異なる世界線に存在する別の世界が無数に存在しています。人々が決断や選択をした瞬間に、新しい別の世界が誕生してしまいます。これらの世界はそれぞれ並行して存在しており、お互い干渉することはありません。

しかし近年では、これらの並行世界は何らかの理由で、お互い重ねあったり、干渉したりし始めた、という主張が出てきています。その干渉の結果、本来私たちの世界で起きていなかったことが“起きていた”ことになったり、本来起きていたことが”書き直された”りします。例えば、我々の世界線では、マンデラ大統領は確かに1980年に獄中で亡くなりました。別の世界線では、彼は2013年まで生きていました。

並行して存在するはずの二つの世界が重なり、干渉し、影響を与える

しかしあることが原因で、本来並行して存在するこの2つの世界線が重り、干渉してしまい、お互いの世界に影響を与えてしまいました。その結果、我々の世界線でも、マンデラ大統領が1980年に亡くなったという事実が、他の世界線の事実に書き直された。それに伴って、多くの「マンデラエフェクト」がこの世界で起きました。

少し別の話になりますが、この投稿を見ている方で「デジャブ」という言葉を聞いたこと、もしくは実際に体験したことがある方もいると思います。

一度も体験したことがないのに、以前どこかで体験したことがあるように感じる現象も、パラレルワールドの重ねが原因だと言われています。僕自身も10代から20代にかけて、高い頻度でこのデジャブを体験していました。

その中でも特に印象に残っているのは、家族との食事中の会話です。ある瞬間に「ちょっと待って。今のこのシーン、一度体験しているぞ!」と感じ、次の瞬間に家族の口から出たセリフが、どこかからの記憶の内容と全く同じです。しかもそのセリフは、「このおかず美味しいね」のような一般的な内容ではなく、ある出来事に関する自分の見方を述べていた家族の長いセリフでした。その長いセリフとそのシーンが、既に記憶の中で存在していたことに気が付いたその時の僕は、本当に鳥肌が立ちっぱなしで、恐怖さえ感じ始めていました。それは僕の中で人生において最も忘れられないシーンの1つになっています。

さて、本題に戻りますが、マンデラエフェクトやデジャブの原因だと思われている「並行世界の重ね」は、なぜ起きたのでしょうか?

1つの有名な仮説としては、欧州原子核研究機構のCERNが、近年実施していた大型加速器による素粒子実験が原因となっているのではないかということです。その実験というのは、素粒子と素粒子を光速に近いスピードにまで加速させ、そして衝突させます。その衝突により、様々な粒子が新たに発生します。これらの発生した粒子を研究することで、宇宙初期に存在していた素粒子の性質を調べることができます。ですので、このような実験はビッグバンに関する謎の解明にも繋がります。

しかし一時期、このような実験はマイクロ・ブラックホールを作り出すことになりかねず、最悪の場合、地球ごとマイクロ・ブラックホールに飲み込まれる恐れがあるということが言われていました。これに対するCERNの反論としては、仮に実験でマイクロ・ブラックホールが誕生したとしても、そのブラックホールはあまりにも小さく、一瞬の間で蒸発してしまうことから、地球に何の影響も与えることが出来ないという事でした。

では、なぜこの素粒子実験は「並行世界の重ね」と関係があるのでしょうか?実はそれもマイクロ・ブラックホールの誕生と関係があります。

ブラックホールはとてつもなく強い重力を持っています。そして、重力は異なる次元の間でも移動することができます。つまり、我々の世界から放たれた重力は、別の次元に存在する並行世界にも届きます。もちろん逆もしかりで、別の並行世界で行われた素粒子実験が放った重力も、私たちの世界に届きます。

人為的に作られた重量を通じて干渉しあう並行世界

このように、多くの並行世界は、人為的に作られた重力を通じてお互い干渉し合います。たった2つの並行世界だけであれば、このような干渉は世界線に影響を与えられるレベルには達しませんが、先日の動画でもお話しした通り、並行世界は無数に存在します。従って、このような実験を行う並行世界も数え切れないほど存在します。ですので、実験による干渉はお互いの世界線に影響を与えてしまうほどのレベルに達します。

ただし、これはお互いに干渉を与えられる理由を説明するための解釈にしかすぎません。異なる世界線がどのように重なったのかについては、恐らくこの世界の本質に触れてくるので、今はまだ完璧な解釈がありません。

世界のリセット

マンデラエフェクトが起きた理由のもう1つの可能性は、シミュレーション仮説と関係があります。

シミュレーション仮説についても1つの動画や投稿にまとめていますが、この仮説が訴えているのは、私たちがいるこの世界は高度な文明による仮想現実である可能性が高いということです。この仮説が正であることを前提として考えた場合、私たちが今まで経験したことを覚える能力である記憶力の本質は、仮想現実に保存されている「データ」です。この仮想現実に不具合や故障、もしくはメンテナンスが必要となった場合、恐らく最も手っ取り早い方法は、バックアップからの復元です。私たちのパソコンやスマートフォンも、一定の間隔で自動的にバックアップが取られていますよね。

しかし、私たちの世界のようなレベルの仮想現実のバックアップは、その膨大なデータ量により、とんでもない規模になります。従って、バックアップから復元するたびに、新しく出来上がった世界は、前回のバックアップとほんの少しのずれが生じる可能性があります。

このずれの結果、復元が行われるたびに、一部の人の記憶は新しい世界の情報に合わせた更新ができておらず、彼らの記憶データはまだ1つ前のバックアップの情報のままということになります。

多少のずれが生じるバックアップによる復元

従って、これらの人は、ある内容について、今の現実とずれた記憶を持つことになります。また、残念なことに、私たちはこのような復元に気が付くことが出来ません。その理由は「世界五分前仮説」と同じく、今まさに復元された新しい世界が誕生したとしても、私たちは過去からの記憶が植え付けられている状態になっています。今までの人生分の記憶のおかげで、世界がリセットされたばかりという事実に気づくことができません。

最後に

今回お話しした僕の個人的な見解がどうであろうと、もし冒頭で紹介したあの映像が本当に他の世界線で起きていた出来事であったとしても、私たちが存在している世界線は幸せな世界であると信じています。このような幸せが、ずっとこの世界線で続きますように。それでは、今日もご視聴ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました