「異世界」はサイエンスによってその実在が示唆されている
異世界、霊界、精神の世界、死後の世界。これらの言葉もしくは概念は、昔から現在に至るまでほぼ全ての民族において存在しています。現代科学が発達する以前の数千年においては、人々はこれらの概念を深く信じていましたが、サイエンスが急激に成長してきたここの100年間の中で、「死後の世界」や「霊界」などの概念は、映画やアニメなどのネタ程度に使われる存在になり、誰かが異世界や霊界の存在を本気で語っていたら、どうもうさん臭く感じてしまいませんか？
今回の投稿は、敢えてこのうさん臭く感じるかもしれないテーマについて語りたいと思います。なぜなら、サイエンスと全く相容れない概念に思える「異世界」という存在は、最新の研究結果によってその実在が示唆されているからです。今回は僕自身がとても興味を持っているテーマとなります。ぜひ最後までお付き合いください。
虚数とは
投稿のテーマにもある通り、異世界という存在は、数学の中にある１つの概念である「虚数」と深く関係があります。ですので、まずは虚数についてご紹介します。虚数というのは、数学において ” i ” で表記されている1つの数字のことです。この数字は、0から9などの実数と呼ばれている数字と違って、虚数iは数学者によって作られた数字です。虚数iの定義は、2乗するとマイナス１になる数字ということです。
しかし、0以外の数字を２乗すると必ずプラスになるというのは学校の先生が教えてくれましたよね。ですので、この虚数という数字もしくは概念は、私たちの日常世界に存在していないロジックを表現しています。その表記のiは、英語で虚数を表すimaginary numberの頭文字からきています。imaginary numberを直訳すると、「架空の数字」や「想像上の数字」となります。同じく人間によって作られた「負の数」という概念がありますが、これは少なくとも日常生活においては、借金や負債などで使われているので、「負の数」は「虚数」より簡単に理解できる概念です。
物理学における虚数
では、２乗してマイナス1になるという現実世界に存在しないものを、どうしてわざわざ作る必要があるでしょうか？たぶんこの動画を見ている今のあなたも、高校の数学の授業で虚数を勉強していた当時のあなたも、この疑問を抱いたかも知れません。実際のところ、虚数を導入したことにより、数学の様々な計算において、複雑な計算の過程がシンプルになり、すぐに結果を導けるようになる場合が多くあります。ですので、虚数は１つのツールとして、数学においてはなくてはならない存在です。使い方によっては強力かつ便利なツールであることから、物理学における多くの分野でも、虚数を使って計算しています。
しかし、数学と違い、物理学は、現実世界を研究する学問です。従って、この「架空の数字」である虚数は、あくまでも計算のツールとしてのみ使用されており、虚数自体が何らかの物理的意味を持っているわけではないというのが一般的な認識です。しかし、腑に落ちない妙なことは量子力学が誕生した後で起きていたのです。
今までの投稿で何度もお話しましたが、量子力学が研究しているマイクロスケールの世界に存在している光子や電子などの小さい粒子は、私たちの普段の世界に存在している物と違い、それらは普段は同時にいくつかの異なる状態の重ね合わせで存在しています。このような状態を持つ粒子の運動を表現するために、あの有名な「シュレーディンガーの猫」という思考実験を考えたエルヴィン・シュレーディンガーが、シュレーディンガー方程式を提案しました。この方程式は粒子の運動状態を予測でき、量子力学分野においては最も基本となる方程式です。
しかし妙なことに、現実世界に実在する粒子の状態を表すこの方程式の中に、なぜか現実世界に存在しない虚数が入っています。この虚数が出現する理由は、方程式が導かれた過程において自然に出てきたもので、数学の観点からは特におかしなところはありませんが、物理学の観点から見れば、問題が生じてしまいます。この虚数の出現で、粒子の状態を表す波動関数が複素数になってしまいます。
複素数というのを簡単な言葉で言いますと、その半分が現実世界に存在する実数、残りの半分が現実世界に存在しない虚数で構成されているものです。
これはおかしなことです。なぜなら、物質の実態や状態を表す質量や速度、温度などの物理量は、全て実数だからです。しかし量子の状態を表す波動関数は、なぜか実数ではない複素数になっています。当時の物理学者たちも、これはどういうことなのかについては分かりませんでした。しかし数学においては、この方程式は全く問題ありませんし、方程式によって得られた結果も観測結果と一致しています。方程式を提案したシュレーディンガー本人も、現実世界を描写するこの方程式から、虚数iを取り除きたいと思っていました。彼は１年をかけて虚数の入っていない方程式も導き出しましたが、その式で結果を得ようと思えば、計算が煩雑になるので、結局シュレーディンガーは元の虚数の入った方程式に戻しました。
量子力学における虚数の役割とは
しかしあの大きな疑問は残ったままです。
- 量子力学において、この現実世界に存在しない虚数の役割は、ただの数学のツールだけなのか？
- それとも、虚数が存在しなければ、私たちは量子力学の世界を表現できなくなるのか？
この疑問は、量子力学が誕生してからの約100年の間でもはっきりした答えが出ていませんでしたが、最近発表された１つの研究結果が、その答えをはっきり示しました。2022年1月に、学術雑誌のPhysical Review Lettersに2本の論文が掲載されました。２つの研究チームは、全く異なる実験手法で、１つの同じ結論を導き出しました。それは、研究チームは高精度の実験結果から、虚数は量子力学においては欠けてはいけない存在で、虚数を使わなければ、量子力学の世界を完璧に表現できなくなるという驚きの結論でした。
これは、量子力学が研究しているマイクロスケールの世界、つまり私たちの現実世界を構成する基本要素である粒子は、根本的なところで虚数と何らかの関係を持っていることを意味します。しかし冒頭でもお話した通り、虚数は人間が作った架空の概念です。なぜ虚数という架空の概念が、現実世界を構成する最も基本的な要素の重要な部分となっているのか？唯一考えられる答えは、虚数はこの世界に実在しているということです。虚数は、何らかの物理的意味を持っています。この物理的意味は一体何なのかについては、今後の研究テーマになりますが、ここからは１つの推測をご紹介したいと思います。
虚数が持つ物理的意味とは
この推測は次のような主張を持っています。
虚数が関与しているのは、この世界の構成の一部である「意識の世界」です。
この意識の世界というのは、異世界、霊界、死後の世界などと同じ世界観を意味しています。私たちが生きている一般世界は、普通の数字である実数で構成されていますが、一方で全てが虚数だけで構成されている世界も存在します。その虚数の世界に存在しているものは、意識です。実数で構成されている物質世界と、虚数で構成されている意識の世界は、重ね合わせて存在しています。量子力学における粒子の挙動を描写する波動関数がなぜ複素数になっているのかについても、多くの量子力学における不思議な現象も、この「虚数の世界」もしくは「意識の世界」の存在によって説明がつきます。
例えば、量子力学には、「量子もつれ」という不思議な現象があります。量子もつれを簡単に説明すると、１つの電子をある手法で、２つに分けます。そして、それぞれの片割れを、それぞれ別の場所に飛ばします。２つの片割れがどれほど遠く離れても、「私たちは元々一つの物だ」という情報がそれぞれの片割れからなくなりませんし、それらはいつまでも同じ状態を共有します。それぞれの片割れを２つの離れた研究室に飛ばし、研究員がA研究室にある片割れを観測し、それが左回転という状態であることが分かった瞬間に、研究室Bにある片割れが、この瞬間に右回転という状態になります。
この２つの状態の共有は、コインの表と裏のように、観測によって、ある１つが確定された時に、もう１つの状態も瞬時に確定されます。しかも、２つの片割れが100光年、1万光年離れていたとしても、この状態の共有は瞬時に起こります。この光速を超えた情報の伝達は、相対性理論と明らかな矛盾が生じているようにも見えますので、量子もつれが実験で実証されるまで、アインシュタインでさえ量子もつれは物理法則に反していると考えていました。
この現象の裏に隠されている仕組みはまだはっきりと分かっていませんが、もし虚数で構成された異世界が存在するのであれば、量子もつれが起きる原因の説明がつきます。一方が観測された時に、虚数の世界に存在している意識の役割が働き始めます。その世界では、速度や時間、空間による制限がありません。実数の世界で遠く離れた2つの電子の片割れがあると仮定すると、虚数の世界においては、距離という概念がないので、それぞれの片割れは、分離される前の１つの個体のままとして存在しています。ですので、実数の世界では100光年も1万光年も離れた片割れどうしは、虚数の世界を通じて、瞬時に状態の共有ができます。とても不思議に聞こえる推測だと思いますが、この推測は、意識が世界に影響を与えられる理由を説明できます。
真実の目の見解
宇宙通信が可能
では、もしこの虚数の世界が本当に存在していて、人類がこの虚数の世界に進入できれば、何ができて、人類の生活はどう変わっていくのでしょうか？ここからは僕の想像力を発揮した内容になりますが、まず考えられる初歩的な応用の１つは、宇宙通信です。今の私たちは、電磁波を使って通信しています。これは、仮に10光年を離れた惑星で知的文明を発見し、地球から彼らにメッセージを送ったあと、そのメッセージが彼らの惑星に届いて、そして返信が地球に帰ってくるのに、20年間もかかります。これではまともなコミュニケーションを取ることができません。しかし、もし速度と時間の制限がない虚数の世界に進入できれば、こちらから送ったメッセージは、10光年先にいる相手だろうが、1万光年先にいる相手だろうが、瞬時に相手に届きます。もちろん地球においても、このような通信手段を使えば、遅延なく安定した通信状態が得られます。
宇宙旅行が可能
もう一歩進めば、虚数の世界を利用した宇宙旅行もできるようになります。もちろん、この旅行というのは肉体を宇宙に送るのではなく、意識を虚数の世界に送り、意識を宇宙空間の中で行き来させることを意味します。その時、入ったら絶対に出て来られなくなるブラックホールの中でさえ、意識だけなら、自由に進入し、無事に戻ることが可能になります。
虚数の世界に生きる
さらに発展していけば、人類は完全に虚数の世界で生きることができるようになるのかもしれません。その時の人類の文明は、以前の宇宙文明の動画や投稿で話したレベル4の水準に達することになります。その時の人類は、意識を肉体から解放させ、不老不死を実現した上で、宇宙のどこにでも自由に行けますし、高次元の世界にまで進入できるようになります。映画インターステラーが描写している、主人公を5次元空間に送った高度な文明は、まさに虚数の世界に生きているレベル4以上の存在だと思います。また、もしかしたら、私たちが地球外生命体を見つけられないのも、ほとんどの地球以外の知的生命は、既に虚数の世界に進入できているのかもしれません。
少しSF小説のような展開になったかもしれませんが、量子力学に潜んでいる様々な謎を解くことが出来れば、これらの想像が想像でなくなる日が来るかもしれません。今の私たちは、その日がやってくるのを見られないかもしれませんが、少なくとも、意識の世界への鍵が存在していることの科学的実証は、私たちが生きている間に実現することを期待しています。
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