はじめに
この宇宙は誰かの脳であり、私たちは何らかの生命体の脳の中に住んでいる
これが今回ご紹介したい仮説の内容です。「そんな訳はないだろう」と思っているかもしれませんが、まずはこちらの2枚の写真を見て下さい。これは16年前のある研究によって得られた画像です。
左はマウスの脳の神経細胞を赤く染色したもの。右はコンピュータのシミュレーションによる宇宙の「Cosmic Web」という物の構造です。
Cosmic Webと言うのは、宇宙空間は、ほぼ何の物質もない真空だと思われていますが、実は銀河と銀河の間には、重力によって、宇宙に存在している物質とダークマターでできた“糸”のような物が存在します。これらの“糸”と無数の銀河によって、大きな1つのネットワークが宇宙の中で構成されています。
そしてこの研究では、Cosmic Webと脳内の神経細胞で作られたニューロンネットワークを、画像で比較してみました。御覧の通り、脳と宇宙の構造は驚くほど似ています。
しかし、これだけでは宇宙と脳が構造的に似ていると言う事はできません。なぜなら、人間は本能的に、物事の間にある類似性を見つけ出すのが得意だからです。例えば、ひび割れの入った壁や空の雲を見た時に、様々な動物の形を想像できるのは、私たちの脳がすぐに類似性を探してしまうからです。従って、脳の神経細胞と宇宙の画像は、見た目で似ていても、必ずしもその構造も似ているとは言い切れません。
ニューロンネットワークとCosmic Webの類似性
しかし、2020年に発表されたこちらの研究が、それに対するはっきりとした答えを出しました。人間の脳のニューロンネットワークと宇宙のCosmic Webは、構造的、形態学的、ネットワーク特性的、記憶容量的に全て類似しているという事です。これらの結論は、人の脳細胞とCosmic Webのシミュレーションを定量的に比較した結果であり、信憑性の高いものになります。
人間の脳にはおよそ860億個の神経細胞とそれで構成されたニューロンネットワークがあります。一方で、観測可能な宇宙には約1000億個の銀河で構成されるCosmic Webが存在します。両者のネットワーク構造には、類似性が見られました。
例えば、脳のニューロンネットワークは、最も密な部分の幅が1マイクロメートルで、最も疎な部分が丁度100倍の100マイクロメートルです。
驚くことに、宇宙も同じような密度の幅が観察され、Cosmic Webの最も密な銀河間の間隔は500万光年で、最も疎な部分は100倍の5億光年です。このような類似性は、自然界に存在する網目状を持つ異なる物体の間で構成される構造ではあまり観察されていません。
次にこの研究では、脳のニューロンネットワークとCosmic Webの結節点についても調べました。分析の結果、神経細胞の場合は、1つの結節点に4~5本の軸索が伸びている一方で、Cosmic Webの結節点にはおおよそ4本の銀河の連なりが伸びていました。
さらに最も興味深いのは、もしCosmic Webのネットワーク全体を情報記憶に使った場合、その記録できる情報量は、約4.3ペタバイトとなります。一方で人間の脳は理論上、2.5ペタバイトの情報を記憶できます。4.3ペタバイトと2.5ペタバイトは、一見大きく離れているように感じますが、脳のニューロンネットワークは、僅かな構造の違いで、保存できる記憶容量に指数関数的な差が生み出されます。従って、脳の2.5ペタバイトと宇宙の4.3ペタバイトは、非常に類似性の高い値と言えます。
これはまるで、Cosmic Webは、人間のような知的生命体の一生分の情報量を記憶するために出来上がった構造のように見えます。また、脳に含まれる水分はその質量の77%を占めているのに対して、宇宙の中のダークエネルギーはその質量の70%を占めているなど、他に類似しているところも多くあります。
真実の目の見解
人間の脳と宇宙がこんなにも構造的に似ているのは、その裏に何か深い理由が潜んでいるようにも感じます。それが何なのかについてはこれからの研究課題になりますが、ここからは僕個人的な見解と推測を述べたいと思います。
多くの国で言い伝えられている神話は、次のような宇宙観を持っています。
この宇宙は「神」の体から化されたもの、この宇宙は意識を持っている
例えば、北欧神話の「ユミル」という原初の巨人、中国神話の創世神である「盤古」、ギリシア神話の女神である「ガイア」、エジプト神話の「ゲブ」、これらの異なる民族の神話は、次のような同じ内容のストーリーを語っています。
我々は“神”の体の中で生きている
これらの神話は現代の視点から見れば、祖先たちの原始的な宇宙観としか思われていません。しかし、現代の正統派の物理学者の中にも、似たような宇宙観を持つ者がいます。
アヴィ・ローブ教授は、ハーバード大学天文学部の前部長で、歴代の中で在任期間が最も長い部長です。科学雑誌の「Scientific American」は2021年に、アヴィ教授の次の文章を掲載しました。
Was Our Universe Created in a Laboratory?、我々の宇宙は実験室で作られた物か?
もしこれがSF作家によって提唱されたものなら、恐らく相手にもされないでしょうが、大物のアヴィ教授の文章ということから、大きな注目を集めました。彼はこう主張しています。
この宇宙に存在する知的生命体は、4つに分類できます。Aクラスは最もレベルの高い生命体で、ほかの生命体を作れるほどの力を持っています。Bクラスは生命体を作れるほどの力はありませんが、自然環境を改造することができます。例えば、1つの惑星を自分たちの住めるような環境に改造することができます。Cクラスは、自然環境のほんの一部しか改造することができません。彼らがいる惑星の環境が大きく変わると、その種族は絶滅を迎えます。現在の人類は、Cクラスに分類されます。Dクラスは、知能レベルがCより低くありませんが、彼らは間違った進化と発展の方向を選んだため、最終的には自己破滅の結末を迎えます。
アヴィ教授が思うには、Bクラス以下の生命体はAクラスによって創造されており、Cクラスにいる人類は現在のまま発展していけば、いずれDクラスに落ちてしまうということです。そして、私たちがほかの生命体と出会えない理由についてアヴィ教授はこう思っています。
地球が存在するこの宇宙は、Aクラスが「量子トンネル効果」を活用して作り出した「赤ちゃん宇宙(Baby universe)」である
つまり、Cクラスの私たちは、Aクラスと異なる宇宙に存在しています。それを理解しやすい言葉に変えると、私たち人類は、Aクラスが作り出した実験室の中にいるということです。もしアヴィ教授の「実験室理論」が正しいのであれば、この「実験室」というのは、1つの生命体だという可能性も排除できません。その生命体がAクラスの生物自身かどうかは分かりませんが、少なくとも、宇宙と脳が構造的に似ている理由はこれで説明がつきます。
さて、本題に戻りますが、アヴィ教授の仮説ありきで、もう一度宇宙と脳の関係性について見てみましょう。
宇宙の質量の70%を占めるダークエネルギーの正体は今でも謎ですが、冒頭でもお話しした通り、脳の質量の77%は水です。ここで次のシーンを想像してみましょう。私たちの脳の中に、知能を持つ生命体が住んでいるとします。それで、彼らの視点から、この脳はどのように見えるのでしょうか?神経細胞とニューロンネットワークはもちろん観察できます。しかし残りの70%の質量も占める水はどうでしょう。水は透明で、脳の隅々まで存在しています。確実に存在している脳の中の水ですが、脳の中にいる彼らはそれを観察することができません。この想像の延長線上で考えると、人類が宇宙の外に行くことが出来れば、ダークエネルギーの謎は解けるのかもしれません。
また、脳と宇宙のネットワーク構造が高度に似ているという事から考えると、脳と宇宙は機能的にも似ているのではないかという推測が生まれます。
例えば、構造的に似ている分子は、それらの性質も似ています。製薬会社は新薬開発時に、この性質を利用して薬の毒性を評価しています。これと似たようなことが、つまり、構造と性能の間に相関性が存在する例が他にもたくさんあります。もしこのような相関性が脳と宇宙の間にもあるのであれば、宇宙は脳のように、意識を持っている可能性が非常に高くなります。
脳と宇宙とは別の話になりますが、インターネットが誕生して約半世紀の発展を経た現在では、インターネットのネットワークの構造は、脳や宇宙のネットワーク構造と非常に似てきています。インターネットのネットワーク構造の中では、結節点はパソコンやスマートフォンなどの端末です。これらの端末も脳の神経細胞のように、それらの間では常に情報の交換と伝達が行われています。
では、インターネットも意識を持っているのかと言うと、「今」のインターネットはまだ意識を持っていません。でも未来のインターネットはどうなるのかは未知数です。その理由は、現在このネットワークにある結節点である端末はまだそこまで“賢くない”からです。しかし、AIの発達によって、これらの結節点にある端末が十分な知恵レベルに達した時に、この膨大なインターネットというネットワークも、いずれ脳のように意識を持ち始めるのかもしれません。
さいごに
一般常識を超えた内容になったと思いますが、「実験室理論」を提唱したアヴィ教授は、次のようなことを言ったことがあります。
「現代科学はクローズドマインドの傾向がだんだん強くなっており、これは科学の発展の束縛になりかねない」
アヴィ教授がよく奇想天外にも思われる理論を主張するのも、人々の固定観念の範囲を広めようとしているのかもしれません。この「真実の目」というチャンネルの目的は、まさにアヴィ教授の意図と同じです。皆さんがこのブログ投稿やYouTube動画を通じて、少しでもこの世界のことを考えるようになれば、僕にとっての最大のモチベーションになります。それでは、今日もご視聴ありがとうございました。
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